みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

ちょっとだけデザイン変更しました

etc

上半期が終わっても落ち着きそうで落ち着かない日々が続いています. 久しぶりに読んでみたいと思った論文なるものが出てきて読んでいますが,何回も頭から読み直すという状況でなかなか進みません(苦笑).はい,知的好奇心(欲求)に実力が伴ってない英語嫌い…

ブブゼラって覚えてますか?~周波数スペクトルと対数計算~

前回予告した「懐かしい話」というのは,そうブブゼラのことです.覚えてますか?サッカーW杯南アフリカ大会(2010年)で一躍有名になった楽器です.長さが 1mぐらいの細長いラッパのような形をしています.そして,これを鳴らすと非常に大きな音がします.こ…

なぜ正弦波で話をするのか?~フーリエ変換とスペクトル~

去年の夏に書いた「うなり」のネタの補足的な内容です.そこでおこなった計算の応用が後でいろいろと出てきますので,先に以下を一読の上,読んでもらえればと思います. 「うなり」の数学的考察~その1~ - 理系男子の独り善がり 「うなり」の数学的考察~…

重力加速度を測る,頭の中で考えるだけだけど

暑さでバテてたわけでもないのですが,なかなか筆(?)が進みませんでした.といっても,気になることはいろいろと調べたり考えたりはしてます.またまとまったら,そのネタは書こうと思います.*1 以前に重力加速度についてネタを書きましたが,場所(緯度)に…

「2018年大阪市大前期物理第3問」のメモ

いまさらな感じもありますが,「的中」なところもあったのでそこへの追記と合わせてメモを残しておきます.最近,大手予備校さんの解答速報はしばらく時間が経つと,問題が削除されるんですよね.著作権の問題からでしょうか?問題としては,カルノーサイク…

ガウス記号を使ったちょっとした小技

アクセスいただいている様子を見ていると,意外とガウス記号に関するネタへのアクセスが多いなあと感じています.そこでというわけでもないですが,ちょっとしたネタを書いてみます. ガウス記号って「1きざみ」ですが 関数:のグラフは,きれいな「だんだん…

重力加速度ってなんですか?の補足

ここしばらく体調を悪くしており更新ができていませんでした.その間にもご覧いただいている方がいて,ありがたい限りです.まだ復調とまではいってませんが,徐々に頭の中にため込んでいたネタを吐き出していこうと思います.重力加速度のネタの補足+αです…

「2018年京大物理第2問と第3問」のメモ

前回に引き続き,京大さんの問題をおさらいしておきます.なんとなくですが,「実践的な問題」という印象を持つようになってきました. 第2問~電磁場内の電子の運動~ トムソンの実験からはじまり,電場・磁場の両方がかかったドリフト運動とその発展という…

「2018年京大物理第1問」のメモ

先日の問題ミスのこともあったので,何かと注目をされたとは思いますが,ちょっと毛色が変わったなあという印象を受けました.でも,なかなか面白い問題だと思うので,解法というよりは補足メモみたいなものを書いてみようと思います. いきなり,微分方程式…

「2018年東京慈恵会医科大医学部物理問題1」のメモ

医科大で出される物理の問題は,「医学の中の物理」という問題が結構よくだされています.問題3がそうなのですが,わたしが気になったのは問題1の方です(笑).早々に不適切出題の指摘もあったようなので,そのあたりも含めて書いていきます.冬や梅雨の時期…

ICカードは「ガチョーン」で使う?

定期券や会社の入館証などで当たり前のようにある ICカードの小話です.JR西日本の改札機には「1秒タッチしてください」といったフレーズが書かれています.そして,ちょっと検索してみると,こんな記事がありました. www.nhk.or.jpこの記事の中で ICカード…

「音波の干渉 with 壁で反射」のまとめ

大阪大,京都大と関西国公立の2大巨頭で,「音波の干渉 with 壁で反射」で指摘を受けるということになりました.ちょっとポイントをわたしなりに整理してみました.必要な考え方や情報は以下を参照いただければよいかと. 縦波の反射~2017年大阪大物理[3]の…

「疎密波の密度変化が変位の微分で与えられること」の備忘録

大阪大の問題*1の延長戦です.2018/01/12の追加資料 6ページ目に書かれている以下の内容についてです. 「微分」といってるぐらいですから 微小区間で考えることにします.また,密度「変化」を考えるので,「もとの密度(疎密波が到達する前の密度)」と「疎…

音叉の振動モード

大阪大の音波の問題の続きです.大阪大から 2018/01/12に公表された追加資料では,以下のような内容が書かれていました. 「音叉の振動モードは複数存在し,それにより答えが変わる」 今回は,そのあたりを少し掘り下げておきたいと思います. 音叉の振動モ…

2018年センター試験物理のメモ

とりあえず解いてみました.以下つらつらと. 第1問 問1 運動量保存則からの計算ですね.完全非弾性衝突(反発係数が0)ですから力学的エネルギーは保存されませんね. 問2 音楽をやっていれば(2)は違う(周波数=振動数が2倍なので,波長は半分になる)ことはわ…

縦波の反射~2017年大阪大物理[3]のメモ~

※すみません,2018/01/11にタイトルを修正しています.(“縦波の反射”←”縦波の反射波”) 2018/01/13 大事な追記 スッキリできるやっぱりできない説明が本家から出てきました. 理科問題(物理) 〔3〕Aの解説(1月12日追記)「壁での反射」がどうこうという話では…

2018年もよろしくお願いします〜解答編〜

2018は「2つの平方数の和になる感じでもなく…」と書いたのですが,見事になるんですね.失礼しました. tsujimotter.hatenablog.com さてさて,問題の方は関数電卓をたたけば答はすぐにわかるのですが,特に手計算となると 3)はちょっと...という感じでしょ…

2018年もよろしくお願いします〜問題編〜

なのですが,2018って意外と特徴のない数なんですよね.素因数分解をしても としかならないですし,フィボナッチ数でもなく 2つの平方数の和になる感じでもなく…という数なんです. でも,今回はフィボナッチ数の問題です. 問題 フィボナッチ数列: は,以下…

ケーキのわけわけ~ものさしを使わずに分割~

クリスマスも近いので,いまどきの言い方だとライフハック的なネタです. ロールケーキや四角いケーキ(正方形),丸いケーキ(円形)を分割することを考えていきます.タイトルにもあるように,「ものさし」を使わないで分割することを考えていきます. ロール…

チャンパーノウン定数~Project Euler Problem 40~

以前,三角形の問題を扱った Project Eulerの問題です.計算量が多いですが,群数列が考え方のメインになる(数列の和計算もあるョ的な)問題です. 問題 元の問題はこちら. Problem 40 - Project Euler正の整数を順に連結して得られる以下の 10進の無理数を…

「ちょっと面白い積分」の補足メモ

以前に挙げた積分問題の補足メモです. miwotukusi.hatenablog.jpの小数部分を積分するというものでしたが,出てきた答えの形を見てふと思い出したことがあったので,もうちょっと突っ込んでみようという「補足」です. おさらい もとの問題の発展形として,…

円 vs 内接正多角形 vs 外接正多角形

※今回も TeXを結構「盛った」ので,表示が遅いかもしれません.前回の続きです.タイトルは「さて誰が勝つのか?」みたいに書いてますが,勝つのは明らかに「円さま」です.*1 miwotukusi.hatenablog.jpここの最後の方で, 同じ に対して外接正多角形の方が…

円周率の評価~2003年の「あの」問題の類題~

もう 14年も前になるんですね.あまりにも有名すぎる入試問題*1 円周率が 3.05よりも大きいことを証明せよ.(2003年東大)のパクリ,いえ類題です.どこかですでに出ているのかもしれませんが,いつもの備忘録的な感じで以下書いていきます. 類題 円周率が 3…

「理系」でよかったこと(個人の感想であり,これを保証するものでは...)

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このブログをはじめてもうすぐ丸4年になります.おかげさまで,10万アクセス*1に達しました.特にアフェリエイトとかしてるわけでもなく,宣伝力のあるブログでもないのでありがたいことです.そして,毎度毎度つたない文章にお付き合いいただきありがとうご…

不等式と領域の例題

シンプルで比較的簡単な問題ですが,少し解き方を考えてみたいと思います. 問題 実数 が を満たすとき,または が成り立つことを示せ. 解き方(1):相加・相乗平均の関係を用いる 示したい式に現れる 4つの項 はすべて正の値となるので,相加・相乗平均の関…

三角形と点~Project Euler Problem 102~

最近,Project Eulerなる数学の問題集サイトに出会いました.問題集といっても,数学とプログラミングを組合せて解くある種「力技」なものなので,純粋な数学の考え方+効率の良いアルゴリズムを考えるという問題になっています. 問題によっては,高校数学…

ちょっと面白い積分

たまたま見かけた問題です.なかなか面白いと思うので載せておきます. ※すいません,TeXをゴリゴリ書いてしまったので表示が重いかもしれません. 問題 の小数部分を と表すとき,次の値を求めよ. 「小数部分」となっていますが,とガウス記号の問題に置き…

植木算の立体バージョン?~オイラーの多面体定理~

「人は多面体である.」なんて言葉は,人の性格を説明するときに使われるものだったりしますが,今回は多面体(平面で囲まれた立体図形であり,かつ穴がなく凹んでいないもの)に関するネタです. 話のきっかけ 先日,Eテレを見ていたら「又吉直樹のヘウレーカ…

「ベクトルは難しくないと思うのですが」の焼き直し

過去に書いた以下のネタの焼き直しです. miwotukusi.hatenablog.jp miwotukusi.hatenablog.jp 書いた当初は,MathJaxによる記述ができることを知らず,無理やりベクトルを表記していました.なので,内容はともかく見栄えが悪いものとなっていました*1.今…

「うなり」の数学的考察~その2~

前回の最後に書いていた問いからはじめましょう.2つの正弦波の合成について, 合成波の式における振幅の周波数は なのに, 音の大きさを与える振幅の 2乗の周波数は となりました. この違いは何でしょうか? これは正弦波のグラフを描いてみればわかること…