記述式の問題は、結果だけでなく論証も必要なのですが、たいていは計算過程だけを羅列しただけの内容になることが多いようです。わたしは社会へ出て仕事をするようになって、数学に限らず記述式の回答ってプレゼン資料と同じだなあ。と思うようになりました。「人に対して説明するもの」であり、その相手が採点者なのか、お客さまなのかの違いだけなのです。もしかすると、いくら答えが合っていても、きちんとした記述がなければ減点されているということもあるのでは?(仕事だったら、記述がぐちゃぐちゃだったら見てももらえない。泣)と思います。
以下では、証明問題を中心に取り上げて書いていきます。
どこまで細かく説明するのか?
これは考え出すと切りがありません。入試は大学の先生が見るのだから、ある程度汲み取ってくれるだろうと思っていると足元をすくわれるかもしれません。
わたしは、特に教科書の例題に書かれているような書き方を手本としていました。ただ、教科書では公式を少し応用するレベルまでですので、問題集や参考書での書き方も参考にしていました。
行間を埋める
問題集や参考書の回答でも不十分に感じるときがあります。スペースの都合もあるのでしょうが、結構端折られていることが多いです。記述式に限らず、問題集や参考書は眺めて「ああ、なるほど」ではなく、しっかりと行間(省略されている考え方や計算過程)を埋めて理解して欲しいと思います。
たとえば、先日の
センタ試験数学IIBの解説もどき で、以下のような記述をしていました。
N=101としたときについては、N=13のときの例を真似ればいいだけです。
101→ 50 → 25 → 12 → 6 → 3 → 1
太字になっている回数は 6回【オ】であり、(以下略)
【オ】のところですが、数字自体は 7つ並んでいるので、「7じゃないの?」って思った人、実際にそう解答してしまった人もいたかもしれません。【オ】はプログラム内のある行が何回実行されたかということを問われていました。このような説明ではなにげにサラッと書かれていることでも、きちんとその過程(プログラムの中でどのように処理が進んでいるのか)を確認しないと、本当に理解したとは言えません。
証明の進め方は一方通行ではない
証明問題が解けない。というとき、その多くは「前提から推し進めようとして、結論にたどり着けない」というパターンです。結論を少し言い換えておくことで、ゴールが見やすくなって前提からもたどり着きやすくなることがよくあります。トンネル工事は片側からでなく、両側から進めていくのと同じイメージです。
逆から進めることも含めて、全体のシナリオを書いてから、回答を書く。これが理想です。ただ、シナリオを書くために、いろいろな試行錯誤(計算も含めて)をすることになります。
数学的帰納法による証明の問題などは、結論を言い換えて証明していることが多いと思います。あとは、図形的な性質を証明するような問題(一直線上にあることを示せ。など)は、その性質を数式に置き換えて、その数式を示すことをします。これも、結論の言い換えです。
またなにかいい問題があれば、書いてみたいと思います。