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理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

数列~その2~

Math

数列の和についてです.Σ記号だけでなく,少々ひねった和についても.

 

いきなりですが,特殊な数列を一つ

取り上げます.一般項が次のように表される数列です.

 a[n]= f(n+1)-f(n)

f(n)は nの関数を表しています.有名な例は「部分分数」の問題です.この和は

 Σ[k=1~n] a[k]

 = { f(2) - f(1) }+{ f(3) - f(2) }+{ f(4) - f(3) }+・・・+{ f(n-2) - f(n-1) }+{ f(n) - f(n-1) }

 = f(n) - f(1)

となります.f(n+1)が f(n+2)や f(n+3)になると,消える項も変わってきます.先頭と末尾の数項を書き出して,よく観察する必要があります.

部分分数もよく出るものですが,次の公式への前フリでもあります.

 

Σ記号

とりあえず,公式から

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1次の和(1式)については,ガウスが小学生のときに「1~100の和を即座に求めた」という逸話にもある方法で求めることができます.

 2×Σ k= (1+2+3+・・・+n)+{ n+(n-1)+(n-2)・・・+1 }= n(n+1)

と,n+1が n組できることを利用します.

2次の和(2式),3次の和(3式)が曲者です.ここで,先の例を利用します.

 k+k^2= k(k+1)= 1/3・{ k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1) }

 2k+3k^2+k^3= k(k+1)(k+2)= 1/4・{ k(k+1)(k+2)(k+3)-(k-1)k(k+1)(k+2) }

書かれている式自体にすら曲者感がありますが,太字になっている項がポイントです.

  • 右側:太字の項を f(n+1)-f(n)の形にすれば,総和の計算は難しくない.
  • 左側:太字の項を展開すれば,k, k^2, k^3で表すことができる.

という二刀流を用いています.実際に「公式を示せ」タイプの問題として,入試問題にも登場しています(ex. 2010年九州大学文系).

 

一般項が(等差数列)×(等比数列)となる数列の和

こちらもいきなり感がありますが、ポイントは「r倍して引く」です。a[n]を等差数列、dをその公差とすると 

f:id:miwotukusi:20140212210933j:plain

 

となんだか難しい式が現れました.しかし,あくまでもポイントは r倍して引いたことで,等差数列が消えるところです. 

このややこしい式で,d= 0,a[1]= aとおいてみると,

f:id:miwotukusi:20140212211434j:plain
と 1行目の S[n]は等比数列の和となっていて,導かれた S[n]も等比数列の和の公式として与えられています.つまり,等比数列の和の公式も「r倍して引く」ことで導かれるということです.え!と思った人は,教科書を見直してみてください.そして,この等比数列の和の公式を少し変形すると,
 1+r+r^2+・・・+r^(n-1)= (1-r^n)/(1-r)
 (1-r)(1+r+r^2+・・・+r^(n-1))= 1-r^n
となり 1-r^nが因数分解できることを表してくれます.因数分解の公式としては書かれていない(または準公式扱い)ことが多いですが,このように覚えておけば堂々と使えるものとなります.
 

Σのわな(トラップ)

Σ記号は公式として使いこなすと便利なものですが,たまに「引っかけ」というか「引っかかる」ような和に出くわすことがあります.
次のような和は計算できますか?答えは次の回に.
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