みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

数字やグラフの読み方についてちょっとだけ

実は1次変換の例題をいくつか解説しようと思っていたのですが,ふと見かけて気になったものがあったので,それと関連した以前から気になっていたことと合わせて書いてみようと思います.

 

駅で電車を待っていたら

その前に塾の看板がありました.そこにはこのようなことが書かれていました.
○○高校 「150弱」名合格!△△高校「180強」名合格!
上の2高校は,それぞれの学区で一番と言われている公立高校です.「」の人数はもっと具体的なものが入っていますが,いちおうボヤかしておきます.
 
以前,選挙の話をしましたが,とらえ方・考え方はそれと同じです.「え?募集定員って何人だっけ?」そうです,母集団(分母)に注目するわけです.調べてみると,募集定員は○○高校で400名,△△高校で360名でした.それぞれ4割弱,5割強もの中学生がこの塾に通っていたことになります.って,どうなんでしょうか???教室を手広く展開しているのなら,あり得なくはないとは思いますが・・・
これを見て「わ!すごい!いいところ!」って思う子や親よりも,「え?」って思う子や親の方が○○高校や△△高校に向いているのかなあ・・・なんて感じました(笑).
 

地球規模での問題

というと,温暖化や人口爆発といったものが挙げられますね.こういう話をするときに,よく「右肩上がりのグラフ」が登場します.でも,これって縦軸の縮尺(目盛)を変えれば,いくらでも「傾き」を変えられるんですよね.片対数グラフを使うといった荒技もあり得ますし.
加えて,「温暖化と人口爆発の関係」といったタイトルで,左軸に温暖化の指標である地球の平均気温,右軸に世界人口を取って,それぞれのグラフを重ね合わせるといったものもあります.こうなると,なおさら目盛のとり方によって,その考察が変わってくる可能性がありますし,因果関係を強調するような表現もできることになります.
こういうときは
  • その量について,前年などと比較した「割合」で考える
  • 全体的な「傾向」だけをとらえる(増えた・減ったの動きだけをみる)
ということをまず心がけるべきです.
グラフの方が視覚的に訴えてくるので,なおさら騙されやすい・間違った解釈に陥りやすいと思います.すこし前に「可視化」や「見える化」といった言葉が流行りましたが,「見たまま」をとらえているようじゃダメよ.というのが本質だと思います.