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理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

ガウス記号

Math

ガウス記号:[x]は,「xを超えない最大の整数」という定義が与えられますが,特に公式が与えられてたりするわけではありません.整数問題の一つという感じですね.ここでは,ちょっと角度を変えて見たりすることで,この記号の扱い方を整理してみたいと思います.

まずは定義から

上にも書いた定義からはじめましょう.「xを超えない最大の整数」を「xは[x]と[x]+1の間にある」と言い換えれば,

 [x ] \leqq x < [x ]+1

と書き下すことができます.式で示すだけでもいいですが,数直線を用いて図として理解することもできます.こちらを用いた方が,なぜ「[x]以上,[x]+1未満」になるのかを理解しやすいと思います.
この定義から出てきた式から,もう一つ大事な式を導くことができます.

 x-1 < [ x ] \leqq x

これも数直線を用いれば,簡単なことです.「[x]は,点xとそこから1だけ左に動いた点の間にある」ということです.まとめて図にすると,下のようになります.式で覚えるよりも,この図(の描き方)を覚えておく方が,きっと楽ですよね.

f:id:miwotukusi:20150619234441p:plain

だんだん畑に,だんだん田?

y=[x]という関数のグラフを描くと,階段のようなものになります.なので,ガウス記号が出てくると,階段関数や床関数といった言葉が出てくるわけです.ガウス記号の中身はxである必要はなく,y=[x^3-x]というグラフを考えることもできるわけです.そのようなグラフを描くときは,あくまでもy軸方向が整数になるように均す(ならす)ところに注意です.どうしても描いているうちに,ついついx軸方向も整数にそろえてしまう(格子点に合わせてしまう)ことがあるからです.
その図のイメージとしては,「だんだん畑」です.ちなみに,田んぼの場合は「たな田」ですね.お間違いのないよう(笑).

f:id:miwotukusi:20150619235744p:plain

整数部分と小数部分

ガウス記号を記号の形のままで処理(計算)するのは,なかなか難しいです.そこで,xを

 x=n + \alpha (nは整数,0 \leqq \alpha < 1)

というように,整数部分と小数部分に分けて考えるといい場合があります.たとえば,以下のような性質を説明するのに適しています.

  1. [ x + m ] = [ x ] + m  (mは整数)
  2. [ x + y ] \geqq [ x ] + [ y ]
  3. \displaystyle{ [ x ] + \left[ x + \frac{1}{2} \right] = [ 2x ] }

1.は,自明といってもいい内容です.
2.ですが,言葉で表現してみると「xの小数部分とyの小数部分の和が1よりも大きいときには,[x + y] = [x] + [y] + 1 > [x] + [y]となる.」ということです.
3.についても,2.と同じように考えることができます.x+1/2が,[x]+1よりも大きくなるかならないか([x]+1を超えるか超えないか)で場合分けを考えます.これは,xの小数部分が1/2よりも大きいか小さいかの場合分けと言い換えることができます.場合分けをし,左辺・右辺それぞれを計算して等号が成立することを示します.これを一般化すると,

 \displaystyle{ \sum_{k=0}^{N-1} \left[ x+ \frac{k}{N} \right] = [ Nx ]}

となります.

ガウス記号の方程式(?)

例を挙げます.

 [ 2x+1 ] = 3

これを満たすxを求めます.形は方程式ですが,答えが一つに決まるわけではありません.上で記した不等式を用いて

 3 \leqq 2x+1 < 4 \\ \displaystyle{ 1 \leqq x < \frac{3}{2} }

と求められます.最初の不等式を立てるところは,もとの方程式を「2x+1が3と4の間にあるから...」と見ることができればいいわけです.小手先の式変形を考えるのではなく,そもそもの意味となるところを考えることで道筋が見えてくるわけです.


ガウス記号の問題は,いろいろな形があるので,これだけですべての問題が解けるというものではありません.記号本来の意味や数直線やグラフを用いるといった方法を用いるという工夫がいるジャンルだと思います.その一助になればプラスいつもながらの備忘録的メモとして,今回は書いてみました.