高校数学の2次関数で「頂点」や「軸」が出てくるころに,のどの奥に引っかかるような感覚になるアレです.具体例を挙げると,
放物線:を x軸方向に +2だけ平行移動したものは,と表される.
そうです,x軸の正の方向に「進んでいる」のに,式の上では「マイナス」されるのです.気持ち悪くないですか?今回は,これをなんとかモノにできるようなイメージを書いていきます.そして,それを応用することにも触れていきます.
未来を知るには,過去を知れ
四字熟語で言えば,「温故知新」というところでしょうか.x軸を時間軸ととらえて考えてみます.上の例であれば,のグラフが毎秒1の速さで x軸の正の方向に移動し,移動をはじめて 2秒後の位置と考えることができます.移動後のグラフ上の点と同じ yの値を持つ点を探していくと,移動後の 2秒前すなわち「-2秒後」の点になります.これが「過去を知る」という言葉の意味です.図で見たほうがわかりやすいですね.
y軸方向も同様に
y軸方向への平行移動も同じです.つまり,
曲線:を x軸方向に だけ,y軸方向に だけ平行移動した図形は,と表される.
というわけです.もう少し平たく言えば,
「と置き換えばいい」
ということです.
急に難しい式の形になりましたが,円の方程式なんかを考えると,まさにこの形になっています.
円:を x軸方向に 1だけ,y軸方向に -2だけ平行移動した図形は,と表される.
放物線の平行移動の公式も...
高校数学の教科書では,
と書かれますが,本来は
と書いた方がわかりやすいのでは?と思っています.1次関数の y切片も同様に考えることができます.
当然,2次元(平面)でも,3次元(空間)でも同じことが言えるわけで,空間における平行移動も簡単にあらわすことができるようになります.逆に,空間図形の方がわかりやすいのかもしれませんね.