みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

2016申も,よろしくお願いいたします〜解答編〜

整数問題に分数が出てくると,ちょっと難易度があがった感じになりますね.数え上げる or 書き出してしまえば,ベタに計算できてしまう.でも,それでは時間がかかるし,計算ミスの確率も高くなる.論理的かつ効率的な考え方が必要となります.

1)約数の個数

これは整数問題というよりも,場合の数の問題ですね.まずは,2016を素因数分解して,
 2016 = 2^5 \cdot 3^2 \cdot 7

となります.あとは,「2が  p個,3が  q個,7が  r個」というように選ぶ選び方を数え上げるだけです. p, \ q, \ rはそれぞれ  0の場合もあるので(例: p=0, \ q=2, \ r=0ならば,約数 9が得られる),
 約数の個数 = (5+1)・(2+1)・(1+1) = 36個

となります.

2)逆数の総和

1を除いた35個の約数の逆数について,その総和を求めることになります.数の総和を求めるような問題では,

  • 両端から順にペアを作ってみる
  • 部分分数に分けてみる

といった工夫を用いる場合もありますが,ここではそのまま通分(分母を2016に統一)してしまいます.その様子を書き下すと
 \displaystyle{ \frac{2^4 \cdot 3^2 \cdot 7}{2016} + \frac{2^5 \cdot 3 \cdot 7}{2016} + \frac{2^3 \cdot 3^2 \cdot 7}{2016} + \ldots + \frac{2}{2016} + \frac{1}{2016} }

となります.分子の和は「2016の約数の総和から,2016を引いた数」になっています.つまり,「2016の約数の総和」が求まればよいわけです.
約数の総和の求める考え方は,1)の約数の個数と同様です.

  • 2^p(p=0~5)から  pを一つ選び,
  • 3^q(p=0~2)から  qを一つ選び,
  • 7^r(r=0~1)から  rを一つ選んだ数

を網羅すればいいわけです.
イメージとしては,下図のような「表」を考えればよいです.いまの問題では,さらに 7^rがあるので,立体構造(2階建ての状態)になります.

「2016の約数の総和」は
 (1+2+2^2+2^3+2^4+2^5) \cdot (1+3+3^2) \cdot (1+7) = 63 \cdot 13 \cdot 8

となります.ここから2016を引いた数が分子となるので,答えは
 \displaystyle{ \frac{63 \cdot 13 \cdot 8 - 2016}{2016} = \frac{63 \cdot 13 \cdot 8}{2016} - 1 = \frac{9}{4} }

となります.


別にこの問題は「1」をそのまま入れておいてもよかったのですが,なんとなく抜いてしまいました.その方がちょっと問題にいやらしさが出ると思ったからでしょうね(苦笑).センタ試験まであと2週間ちょっとですね.インフルエンザが年明けから流行るという情報もあるので,十分に注意してほしいと思います.