まだまだ暑くて,体がだるーんと曲がってしまいます.今日は,曲率です.高校数学ではまず扱わない分野ですね.でも,微分の知識があれば,定義も計算もできる内容なので難しくはないと思います*1.
130R
と聞くと,お笑いコンビ(最近は揃ってみることは,まずないですけど)か,鈴鹿サーキットの高速コーナーですね*2.高速道路でも,「R=〇〇m」と書かれた標識を見たことがあると思います.
で,これは「半径130mの円弧ですよ」ということを表しており,半径が小さいほど曲がり方が大きいということになります.ちょっと地図を拝借してやってみると,下図のとおり.
円の1/5~1/6ぐらいがカーブ区間と重なっているようです.
このように,曲線をところどころで見ていくと「曲がり具合」というものが違ってきます.それを定量化したものが「曲率」や「曲率半径」と呼ばれるものになります.
曲率の定義
曲線 上に定点 と,その近くの点 をとる.それらの点における接線が 軸となす角をそれぞれ ,とする.曲線の弧 の長さを とするとき,は接線の傾きの平均変化率を表している.この量に対する極限
を点 における曲線の曲率()といい,その逆数を曲率半径()という.また,その円の中心を曲率中心と呼ぶ.
図もつけておきます.
曲率半径は曲率の逆数ということなので,と表されます.分子は曲線の長さの微小変化,分母は角度の微小変化です.もっとざっくり書けば,(長さ)÷(角度)という量であり,次元で見ても,きちんと長さの量であることがわかります*3.
さらに,曲率半径について という式は,円弧の長さを与える式 と同じ形になっています.
先の図の右半分に,極座標系での関係を描いています.極座標系にも「中心」となる点(すなわち原点)がありますが,あくまでも円弧として見ることができる点,もう少し言えば「半径」が等しくなるような点が曲率中心であって,原点とは必ずしも一致しません.
この後,この定義からゴニョゴニョして*4,曲率を与える公式が導かれるのですが,そこはネット上でもいろいろと書かれているので,結果だけ以下に.
曲率半径の式
曲線の方程式が,媒介変数を用いて と表され,および が連続なとき,曲線上の における曲率半径は,以下の式で与えられる.
ここでの「(dash)」は,媒介変数 での微分を表しています.
ちょっとズルいという感じではありますが,,と見てあげれば,
という式も与えられます.
試すのであれば,それこそ「円」の式を当てはめてみるといいですね.という感じです.円をやったら,楕円をやってみるというのもいいかもしれません.
次回は,これを使ってちょっと昔のネタに挑戦してみようと思います.