理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

ケーキのわけわけ~ものさしを使わずに分割~

クリスマスも近いので,いまどきの言い方だとライフハック的なネタです.
ロールケーキや四角いケーキ(正方形),丸いケーキ(円形)を分割することを考えていきます.タイトルにもあるように,「ものさし」を使わないで分割することを考えていきます.

f:id:miwotukusi:20171220221031p:plain

ロールケーキ

巻いていなくてもいいのですが,細長いケーキを考えます.(上の図のa)
細長いので,横の長さを等分できればいいわけです.「ものさし」の代わりに,「折りたたんだ細長い紙」を使います.
3人で分けたい場合は,下の図のようにします.
f:id:miwotukusi:20171220223155p:plain

これを数学的(?)な表現をすると,以下のような手順になります.

  1.  N人で分割するとき,
  2. 紙を  k回折って, 2^k \geqq Nとなるようにする.
  3. 折った紙の  \displaystyle{ \frac{N}{2^k} }の部分を使うことで,長さを分割する.

ここで細長い紙の長さについて考えてみます.ケーキの横の長さ(分けたい長さ)を  L,ケーキの縦の長さを  D,細長い紙の長さを  aとすると, \displaystyle{ \frac{N}{2^k} }の部分の長さが横の長さ以上対角線の長さ以下でないと困るので,
  \begin{eqnarray} L &\leqq& \frac{N}{2^k} \cdot a &\leqq& \sqrt{L^2+D^2} \\ \frac{2^k}{N} \cdot L &\leqq& \ \ \ \ a &\leqq& \frac{2^k}{N} \sqrt{1+\left( \frac{D}{L} \right)^2 } \cdot L \end{eqnarray}

という条件が必要になります.短すぎると寸足らずになりますし,長すぎると目盛りがはみ出すことになります.
3人で分割するときであれば, k=2であるので,
  \displaystyle{ \frac{4}{3} \cdot L \leqq a \leqq \frac{4}{3} \sqrt{1 + \left( \frac{D}{L} \right)^2} \cdot L }

となる長さの紙を用意しなければならないということになります.こうなると,「ものさし使った方が早いわい!」となりそうですが.(笑)

正方形のケーキ

上のロールケーキは,実際は上から見ているので長方形の分割になっています.そこで, L=Dとすれば正方形のケーキを考えることになります.
正方形状のケーキになると,側面に塗られたクリームも気になりますよね.となると,ロールケーキのように分けてしまうと,真ん中の人だけ側面のクリームが少なくなってしまいます.
そこで,以下のように考えます.

  1. 上の方法を使って,縦も横もそれぞれ長さを  N等分します.ロールケーキのときは,ものさしは 1回しかあてていませんが,少しずらして印をつければ,平行な等分線を引くことができます.
  2. 周の長さが  4N等分されているので,等分された目盛りを 4つずつとります.
  3. 2.で選んだ点と,正方形の中心を切り分けていくと,上面の面積も側面の面積も均等に分けることができます.

最後のところで,何気に以下の性質を使っています.
「三角形の面積比は,高さが同じならば,底辺の長さの比になる」

正方形という正多角形であるがゆえに,重心(外接円の中心)と辺との距離(高さ)は一定になっているところがポイントになっています.なので,正五角形でも正八角形でも周の長ささえ等分できれば,きれいにわけることができるのです.

円形のケーキ

先月書いた円と正多角形のネタ*1を思い出してもらうと,正多角形の行き着く先が円なので,円周さえ均等に分割できればきれいにわけることができるのです.
とわかっていても,「その円周を均等に分割するのが難しいんやん!」というのが円です.
たとえば,円形のケーキを 7人で分けるとするとどうしますか? 360^\circ \div 7 \approx 51.4って測ろうにも分度器なしでは無理ですよね.
ここで,ロールケーキのときに使った方法を応用します.角度を分割するわけなので…

  1. 正方形の折り紙を用意し,横に半分,縦に半分,斜めに半分として  45^\circに分割し,
  2. そのうち一つの部分を切り取ってしまい,
  3. 切り取った辺を合わせ傘のように少し立体的にして,折り紙の中心と円の中心を合わせる.(つまようじをさしてもいい)

このようにすれば,見事に角度が 7等分されます.


今回のポイントは「いらない部分は省いて使う」というところでした.それが長さなのか,角度なのかで,ちょっと使い方が違うだけです.これでちょっとでもケンカが少なくなればいいなと思います.