クリスマスも近いので,いまどきの言い方だとライフハック的なネタです.
ロールケーキや四角いケーキ(正方形),丸いケーキ(円形)を分割することを考えていきます.タイトルにもあるように,「ものさし」を使わないで分割することを考えていきます.
ロールケーキ
巻いていなくてもいいのですが,細長いケーキを考えます.(上の図のa)
細長いので,横の長さを等分できればいいわけです.「ものさし」の代わりに,「折りたたんだ細長い紙」を使います.
3人で分けたい場合は,下の図のようにします.
これを数学的(?)な表現をすると,以下のような手順になります.
- 人で分割するとき,
- 紙を 回折って,となるようにする.
- 折った紙の の部分を使うことで,長さを分割する.
ここで細長い紙の長さについて考えてみます.ケーキの横の長さ(分けたい長さ)を ,ケーキの縦の長さを ,細長い紙の長さを とすると,の部分の長さが横の長さ以上対角線の長さ以下でないと困るので,
という条件が必要になります.短すぎると寸足らずになりますし,長すぎると目盛りがはみ出すことになります.
3人で分割するときであれば,であるので,
となる長さの紙を用意しなければならないということになります.こうなると,「ものさし使った方が早いわい!」となりそうですが.(笑)
正方形のケーキ
上のロールケーキは,実際は上から見ているので長方形の分割になっています.そこで,とすれば正方形のケーキを考えることになります.
正方形状のケーキになると,側面に塗られたクリームも気になりますよね.となると,ロールケーキのように分けてしまうと,真ん中の人だけ側面のクリームが少なくなってしまいます.
そこで,以下のように考えます.
- 上の方法を使って,縦も横もそれぞれ長さを 等分します.ロールケーキのときは,ものさしは 1回しかあてていませんが,少しずらして印をつければ,平行な等分線を引くことができます.
- 周の長さが 等分されているので,等分された目盛りを 4つずつとります.
- 2.で選んだ点と,正方形の中心を切り分けていくと,上面の面積も側面の面積も均等に分けることができます.
最後のところで,何気に以下の性質を使っています.
「三角形の面積比は,高さが同じならば,底辺の長さの比になる」
正方形という正多角形であるがゆえに,重心(内接円の中心)と辺との距離(高さ)は一定になっているところがポイントになっています.なので,正五角形でも正八角形でも周の長ささえ等分できれば,きれいにわけることができるのです.
円形のケーキ
先月書いた円と正多角形のネタ*1を思い出してもらうと,正多角形の行き着く先が円なので,円周さえ均等に分割できればきれいにわけることができるのです.
とわかっていても,「その円周を均等に分割するのが難しいんやん!」というのが円です.
たとえば,円形のケーキを 7人で分けるとするとどうしますか?って測ろうにも分度器なしでは無理ですよね.
ここで,ロールケーキのときに使った方法を応用します.角度を分割するわけなので…
- 正方形の折り紙を用意し,横に半分,縦に半分,斜めに半分として に分割し,
- そのうち一つの部分を切り取ってしまい,
- 切り取った辺を合わせ傘のように少し立体的にして,折り紙の中心と円の中心を合わせる.(つまようじをさしてもいい)
このようにすれば,見事に角度が 7等分されます.
今回のポイントは「いらない部分は省いて使う」というところでした.それが長さなのか,角度なのかで,ちょっと使い方が違うだけです.これでちょっとでもケンカが少なくなればいいなと思います.
また違った「ケーキのわけわけ」を扱ったネタもあるのでぜひ
miwotukusi.hatenablog.jp