大阪大の問題*1の延長戦です.2018/01/12の追加資料 6ページ目に書かれている以下の内容についてです.
「微分」といってるぐらいですから
微小区間で考えることにします.また,密度「変化」を考えるので,「もとの密度(疎密波が到達する前の密度)」と「疎密波により変位が生じたときの密度」を比較することになります.大阪大は進行方向を 軸としていましたが,いまは 軸をとることとします.*2
そして,微小区間:にある円筒*3を考えます.
図の補足:は微小なので青の円柱とオレンジの円柱は重なっているはずだが,わかりやすくするため重ならないように描いている.
変位を与える関数を とすれば,それぞれの点の位置は以下のようになります.
- 点 は,に移動し,
- 点 は,に移動する.
移動してもその区間にある媒質の質量は変わらないので(「幅」が変わることで密度が変わる),
ここで,とすると,密度:は位置 における密度となり と表すことができます.そして,微分の定義をあてはめると,
偏微分の記号 は高校数学では出てこないのですが,いまの話であれば「以外の変数は定数扱いにしますよ」と見てあげればいいです.
が微小量であるとして,近似式:を用いると,
となり,密度「変化」は
と変位の微分に比例する結果が得られました.
「物理は(ある程度は)式を用いて考えることをしないと理解できない学問だな」と改めて感じさせられる内容でした.となると,縦波は高校物理では扱いにくい存在になってしまうのでしょうか?
2018/02/01追記
密度変化の結果に対する考察(確認)です.
が負の場合,密度変化は正となり密になることを示しています.変位が減少していくということは,
- 前がどんどん詰まってくる(「渋滞している」イメージで変位が正の場合)
- 渋滞を抜けてすぐの前との間隔が広がっていく(変位が負の場合)
ということであり,正→負のところ(すなわち,変位が右下がりでゼロの近辺)で密になるというわけです.*4