みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

ナベアツ数列?

と呼んでもいいのかわかりませんが,あの「〇〇になる」やつです.もう 10年ぐらい経つんですね.

  1. 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります」
  2. 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります.さらに,5の倍数のときに犬っぽくなります」
  3. 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります.さらに,8の倍数のときに気持ちよくなります」

これお正月の整数問題にすればよかったなあと思いつつ,いま問題にしてみます.

2021/06/21:少し気になったことがあったので,一度非公開にしていました.チェックできたので再度公開します.

問題:上の 1.~3.のそれぞれにおいて,「アホになっている」2019番目の数字を答えてください.

1. 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ」

以下,3の倍数はオレンジ色,「3がつく数字」は赤色(これらの両方を満たすときは赤色)で表します.
まず 1~10の間では,
  1, \ 2, \ \color{red}{3}, \ 4, \ 5, \ \color{orange}{6}, \ 7, \ 8, \ \color{orange}{9}, \ 10

これではちょっと様子がわかりにくいので,一気に 1~99の間について考えてみます.ちょっと見やすくするため(すぐ後でわけはわかります)に,「0」から始めてみると,
  \begin{array}{cccccccccc} \color{gray}{0}, & & & \color{red}{3}, & & & \color{orange}{6}, & & & \color{orange}{9},\\
 & & \color{orange}{12}, & \color{red}{13}, & & \color{orange}{15}, & & & \color{orange}{18}, & \\
 & \color{orange}{21}, & & \color{red}{23}, & \color{orange}{24}, & & & \color{orange}{27}, & & \\ 
\color{red}{30}, & \color{red}{31}, & \color{red}{32}, & \color{red}{33}, & \color{red}{34}, & \color{red}{35}, & \color{red}{36}, & \color{red}{37}, & \color{red}{38}, & \color{red}{39},\\ 
& & \color{orange}{42}, & \color{red}{43}, & & \color{orange}{45}, & & & \color{orange}{48}, & \\ 
& \color{orange}{51}, & & \color{red}{53}, & \color{orange}{54}, & & & \color{orange}{57}, & & \\
 \color{orange}{60}, & & & \color{red}{63}, & & & \color{orange}{66}, & & & \color{orange}{69},\\
 & & \color{orange}{72}, & \color{red}{73}, & & \color{orange}{75}, & & & \color{orange}{78}, & \\
 & \color{orange}{81}, & & \color{red}{83}, & \color{orange}{84}, & & & \color{orange}{87}, & & \\
 \color{orange}{90}, & & & \color{red}{93}, & & & \color{orange}{96}, & & & \color{orange}{99} \end{array}

なんか規則正しい感じに見えてくると思います.
先頭の「0」も3の倍数として見てあげると,同じような数の並びになるのは「300」「600」「900」…ときだとわかります.なので,とりあえず 300まで頑張ってみます.
と,実際には書き出していません.横の列ごとに何個ずつあるかを数え上げようとしたところ,100の位の数と 10の位の数を XYと表して,

  • XY0が 3の倍数のとき ⇒ XY0, XY3, XY6, XY9
  • XY1が 3の倍数のとき ⇒ XY1, XY3, XY4, XY7
  • XY2が 3の倍数のとき ⇒ XY2, XY3, XY5, XY8

と横の列ごとにきれいに 4個ずつしか当てはまる数がないことがわかりました.こうなると,だいぶ数え上げやすくなります.

1~999までには何個の「アホ」があるのか?

X3Zのときの 10個はすべて当てはまるので,1~299までの数については,

  • 1~99までの間には,4×9+10-1(「0」は除外するから)=45個
  • 100~199までの間には,4×9+10ー1=45個(ここも「100」は除外)
  • 200~299までの間にも,4×9+10ー1=45個(ここも「200」は除外)

合計 137個あることがわかりました.
さらに,

  • 300~399はすべて当てはまるので 100個
  • 400~999までは,400台,500台…となるので,45×6個

とすれば,1~999までには 45×9+100=505個あることがわかります.

どこまで数え上げればいいのか?

ここで一度問題を振り返ってみます.
 「アホになっている」2019番目の数字を答えてください.

2019番目はどのあたりにあるのか?(どこまで数え上げていかないとダメなのか?)をおおよそ見積もっておく必要があります.

  • 1~99までで45個=おおよそ 45%
  • 1~999までで 513個=おおよそ 51%

どうも倍(2019×2=4038)ぐらいまで数え上げれば,答えにたどり着きそうです.さらに勘定をしていくと,

  • 1000~1999までは,505個
  • 2000~2999までも,505個

1~2999までで 505×3=1515個になりました.
で,3000台.そうです.ここはずーっとアホなんです!というわけで,
 2019-1515=504

「3000」から数え始めて 504番目の数なので「3503」これが 2019番目の「アホ」になります.どのあたりにあるのかと目星を付けるあたりは,群数列とかチャンパーノウン定数の考え方に似ていますね.

一見,不規則そうな数列だと思ったのですが,10個の中に 4個ずつ含まれる(30番台を除く)ときれいに入っているのは絶妙だなあと感じました.

残りの問題

2.の 5の倍数,3.の 8の倍数についても同様に積み上げていくことを考えれば,導くことができます.答えだけ載せておきますので,数え上げ方は考えてみてください.
2.の答えは 3153,3.の答えは 3269

「3がつく数字」の配置

ここでは,3の倍数は無視して考えます.まずは論より証拠,下図は N=0~60万までの配置を図にしたものです.

「3がつく数字」の配置(N=0~60万まで,横は 1,000で折り返し,黒線は 100刻み)

上の 0~99の例は,左上隅の十字の部分になっています.このようにして図を見ると「左から3割,上から3割」のところに,十字線が入る図形が,親子のように重なりあっている様子が見えてきます.これってフラクタル図形になるんですかね?コッホ図形とか,シェルピンスキーのギャスケットとかは有限の大きさの中での話で,いまのはどんどん拡がっていく話なので,当てはまるのかどうなのか…(どなたか詳しい方教えて欲しいです.)