高校数学では「整数問題」として扱われます。このジャンルは、教科書にもあまり触れられていないというよりも、触れられない語れないところで、ある意味一番センスを試されるところかとも思います。もとの問題文はもう書きませんが、高校数学っぽく書き直すと
「2つの整数 x, yについて、0≦ x≦ 64、0≦ y≦ 36、3x+ 5y=187を満たす (x, y)の組はいくつかあるか求めよ。」
不定方程式
もう 1つ x, yに関する条件式があれば、連立方程式として決まった解が求められます。しかし、いまは条件が 1つだけ(未知数が 2つに対して)なので、解が複数存在します。このような方程式は不定方程式と呼ばれます。これを xy平面上でグラフを用いて考えるときには、格子点の問題と呼ばれたりします。
このような不定方程式の解き方は、「特殊解を一つ見つけ出すこと」です。
解き方
3x+ 5y=187 ・・・(1式)
とりあえず、何か 1つ不定方程式を満たす具体的な組を見つけ出します。たとえば、その2の内容から、(x, y)=(59, 2)が満たすことがわかります。
3× 59+ 5× 2=187 ・・・(2式)
(1式)- (2式)と辺々差し引くと、右辺の定数項が消えます。
3(x- 59)+ 5(y- 2)=0
3(x- 59)=5(2- y)
3と 5は互いに素ですから、x- 59は 5の倍数でなければなりません。つまり、x- 59=5kと表されるということです。これをもとの式に代入して、
(x, y)=(5k+ 59, 2- 3k)
を満たす kが何通りの値をとることができるかを考えます。これは、x, yが取りうる値の範囲から絞り込まれます。
0≦ 5k+ 59≦ 64
-59/5≦ k≦ 1
kは -11から 1までの値をとることができるとなりますが、k=1(x=64)はもとの式を満たさないので除外されます。結果、-11から 0までの 12通りをとることが求まります。(yについても、同様の確認が必要です。)
解が必ずあるとは限らない?
もとの問題では「その景品の点数ぴったりで交換することができる3点と5点のコインの枚数の組み合わせ方は何通りですか。」とありますが、そのような組合せがないということも考えられます。ところが、そのようなことは起こりません。それを次回に示します。