さて,問題の数IIBです.対数は出てこないものの,「指数に死す(ぅ)」というところでしょうか・・・
数IIB
第1問
[1]加法定理の逆が地味に登場する問題ですね.半径2の円周上を回る点Pとその点Pを中心に半径1で回る点Qという見方ができれば,冒頭のOP,OQはすぐにわかりますね.
[2]√と3乗根を消すようにすれば,素直に求まります.分かりにくければ,
- √は「1/2乗」に,3乗根は「1/3乗」に言い換えられる.
- 逆数は「-1」乗と言い換えられる.
これらを用いて,すべて指数にもってくることを考えればよいと思います.
第2問
(1)微分の定義ですね.意外と時間を取られるかもしれません.
(2)では三角形の面積:Sを求めますが,ベクトルから求めることのできる準公式*1を用いてもいいですし,素直に四角形からまわりの三角形を引くとしても構いません.Tについても,台形から放物線の下を引くとすればよいと思います.
第3問
ここですね.「2^nの一の位の数をa[n]とする」このくだりで「なに!?そんな数列をもってきて大丈夫?」という印象を受けました.ちなみに,過去に対数のところで,この内容に触れています.この周期性とその周期が4であること.これが,この問題のポイントです.しかしそれ以外にも,いろんなところにトラップが仕掛けられています.
場合分けされている一般項のところですが,
- n=4k-3は,n=1,5,9,13,・・・のシリーズ
- n=4k-2は,n=2,6,10,14,・・・のシリーズ
- n=4k-1は,n=3,7,11,15,・・・のシリーズ
- n=4kは,n=4,8,12,16,・・・のシリーズ
を表しています.n=4k-3のケースを起点に,a[2]/4,a[3]/4,a[4]/4を順次かけていくことになります.
(3)ここまでたどりつくのも一苦労ですが,まだ許してくれません.ここは,4mというのが,上の4パターンを1パックとした塊がm個あると考えればよいです.
(4)ここで混乱してしまった人もいると思います.「1パック」の積は単純に計算できます.それらの積を考えるわけですが,指数法則から「指数の和→シグマ計算」を使うことになります.最後は10=4×2+2として計算しなければなりません.
2015/2/2追記
備忘録的な追記です.a[オ]=a[n]の選択肢に追加正解がありましたが,その理由は以下のとおり.
n=4K+Lとおくと,
5n=5(4K+L)=4(5K+L)+L
となり,nも5nも4で割ったあまりがLで等しくなる.よって,a[5n]=a[n]である.ほかにも4で割って1あまるような数:Mであれば,a[Mn]=a[n]が成り立つ.
第4問
「ひし形」というよりも,正三角形を2つ張り合わせた形と見た方がわかりやすいですね.ここは誘導に従えば無難にこなせる問題だと思います.最後の面積比は,底辺の比を考えるだけですね.
というわけで,全部ではないですが考え方を書いてみました.実は,おととしの11月に試作問題というものが出されていました(平成27年度のこのページ下部に説明と問題へのリンクがあります).昨年問題を見ていて,いままでの「穴埋め」とは少し違う印象を受けました.それが出たというところでしょうか?
こういう「変わり目」は,いままでのデータが通用しないことも多々あります.まだまだあきらめる段階でもないので,疲れで体調を崩さないようにして,励んでほしいなと思います.