みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

「2015年京大前期理系数学第6問」のメモ no 補足

またまた少し時間が経ちましたが,前回の続きです.もう少し突っ込んでみます.

数列の一般項

この数列は,

  • もとの値を半分にするか(0から1/2の間に入るか)
  • もとの値を半分にしてから,1/2加えるか(1/2から1の間に入るか)

のいずれかをおこなって次の値を得ることになっています.

具体的に x_1, \ x_2と計算してみると,一般項の形を推測することができます.と言っても,場合分けがあるのでちょっといい加減な形になってしまいます.それは,

 \begin{align}x_n = \frac{2k-1}{2^{n+1}} \end{align}k自然数

のような形です.(奇数)/2^(n+1)という形だということです.
そして,このことがわかると,

 m \neq n ならば x_m \neq x_n

ということもわかります.約分できませんからね.
つまり,一度取った値には戻ってこないということです.

問題文で「x_n < 2/3となる確率~」とありますが,上のことがわかっていれば,x_n \neq 2/3となっていることも理解できます.

「戻ってくる」場合

上で与えられた一般項の形は,初項にも依存した形になっています.ですので,初項が変われば,とり得る値も変わってきます.
そして,x_n = 2/3は特殊な数となっています.これは,以下の方程式を解くことで理解できます.

 \begin{align} x &= f_1(f_0(x)) = \frac{x/2+1}{2} &\Rightarrow x = \frac{2}{3} \\ x &= f_0(f_1(x)) = \frac{(x+1)/2}{2} &\Rightarrow x = \frac{1}{3} \end{align}

2回写像で戻ってくるケースになっているということです.


他にもいろいろな見方や解釈もあるでしょう.問題の構造(イメージ)をつかむという点では,この辺りまでは考えておいてもいいのかなと思い,補足として追記してみました.