以前に挙げた積分問題の補足メモです.
miwotukusi.hatenablog.jp
の小数部分を積分するというものでしたが,出てきた答えの形を見てふと思い出したことがあったので,もうちょっと突っ込んでみようという「補足」です.
おさらい
もとの問題の発展形として,以下の式を導きました.
先日までは 1行目で終わっていたのですが,なので単純に 記号の中に取り込んで 2行目の結果になっています.
思い出したこと
というのは,以下のような式です.
右辺にある が上の答えと打ち消しあうのか?ということが頭をよぎったのです.
まずは,この不等式+αの内容を示すことからはじめていきます.
具体的な値を見てみると...
以下では,積分の値を と表すことにします.いくつかの についておおよその値を見てみると,
もっと大きな値を調べると,
どうも となりそうな感じです.このことを「いつもの感覚」を働かせて,みていきます.
グラフを見る
「いつもの感覚」とは視覚のことです.以前書いたネタの中で,
のグラフは,が大きくなるにつれて目の間隔が小さくなるノコギリのような概形になります.
と書きました.これを具体的に見てみると,こんな感じです.
図の補足:のグラフについては,
- 青の点線は で表される曲線であり,これを移動させながら で切り取ったもの
- 曲線:を整数部分である で切り取って,だるま落としのように まで落としてきたもの
と 2とおりの見方ができる.
の間でギザギザしているのが, のグラフです.このグラフは,の絶対値が大きくなってくると,曲線というよりは直線に見えてきます.
そして,上のときと同じように の区間を見たとき,
という不等式が成り立ちます.これは,で囲まれた長方形の面積と定積分の大きさ比較をしており,ちょうど が長方形の「対角線」のようになっているととらえた結果です.それぞれの長方形のほぼ半分が足しあわされるわけですから,おおよその値として となるのは納得できるのではないでしょうか?
ただし,のグラフの漸近線が であるとは言えません.値としては,からは少しずつとはいえ,離れていっているからです.
上のように評価をすると,被積分関数が ではなく,の場合でも であると言えそうです.はじめは,なんとか式で評価できないかと考えていたのですが,ふとグラフを見たときに思いついたという次第です.
*1:高さが で幅が 1の長方形と高さが で幅が 1の長方形