前期試験が終わりましたね。今年はそんな「えっ!」って問題もなかったような雰囲気ですね。
先の対数の話のときと同じタイトルになっていますが,意味合いはちょっと違います.対数は「何ケタ」「小数第何位」というケタでしたが,ここでは「ケタの繰り上がり」を扱うことになります.
定義というものではないですが,p進法とは何ぞやということについて書くと以下のようになります.
「p進法とは,その「ケタ」の数が pになったらケタが繰り上がる(ケタが 1つ上がる)もの」
以下では,いくつか例を挙げていきたいと思います.
60進法
いきなり大きな数字が登場しますが,なじみ深いものです.ズバリ「時計」です.
秒が 60秒になれば「ケタ」が 1つ上がり分になり,60分になれば「ケタ」がさらに上がり時になります.「60」になったとき,ケタが上がってしまうので,「60」という数字自体は 60進法には現れません.
0:00:00から上の時刻まで「何秒」かかったかを計算してみます.普通にする計算ですが,ちょっと形にこだわってみます.
10進法では「百の位」「十の位」「一の位」といいますが,これは「の位」「の位」「の位」と言い換えることができます.上の計算も,それにならった形にしています.つまり,60進法とは という「ケタ」を考えているということになります.
2進法
対数の話のときに,例題として IPアドレスの話を取り上げました.ここには,32ビットや 128ビットといった 2進法のケタがすでに登場していました.192.168.1.200という IPアドレスを 2進法表記に書き換えてみると,下図のようになります.
それぞれは,から までの 8ケタ(8ビット)の数として表記されます.
3進法は○○○
60進法や 2進法は生活の中で出会うことが多く,数学の問題としてはあまり出会うことのないものでした.ただ,3進法や 5進法は試験問題としても,よく扱われるものになります.しかし,3進法も生活の中で登場しているのです.
言い換えれば「三振法」です.そうです,野球のカウントがまさに 3進法なのです.
- ワンストライク,ツーストライク,スリーストライクでワンアウト
- ワンアウト,ツーアウト,スリーアウトで交代(攻撃終了)
3進法に 3自身は登場しないので,カウントのランプは 2つしかないのです.
p進法という言い方が悪いのか,つかみどころのないものという扱いになりがちですが,「ケタ」を「の位」というようにとらえることができれば難しいものではないと思います.この言い換えを使って,10進法に翻訳したり,逆に 10進法から翻訳したりすることで問題は解くことができるはずです.
ITをする人にとって 2進法・16進法は必須なので,食わず嫌いはしないで,しっかりと味わってください(笑).