みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

2014-01-01から1年間の記事一覧

冬の運転は余裕をもって

この週末も,大雪になる地域があるようですね.冷え込むので,体調にも気を付けたいところです.いままで,車に関することをいくつか書きましたが,今回は「摩擦力」に注目しつつ,冬の運転について考えてみたいと思います. 先に結論を言ってしまえば,「ス…

三角形の面積を二等分する「垂線」

解けそうで解けないと思ったら,解けちゃったという感じの問題です.タイトルどおり,問題自体はいたってシンプルです. 問題 三角形ABCにおいて,AB≧ACとする.辺BC上の点Sより垂線を引き,三角形ABCの面積を二等分する.点Sはどのような点として表されるか…

プレゼント交換会の数学~完全順列~

今回は,完全順列を考えます.別名,攪乱順列とも呼ばれるもので,こちらの方が意味を理解しやすいようにも思います.問題として考えることにします.メインは場合の数ですが,数列や数学的帰納法の内容も含んでいます. 問題 人が参加するクリスマス会でプ…

ヘリコプターの物理

以前,気球に関するネタを挙げましたが,今回はヘリコプターです.どちらも「浮かぶ」ものですが,ちょっと考え方が違います. なぜ,ヘリコプターは浮かぶのか? 気球は,浮力(アルキメデスの原理)を利用して浮かんでいます.気球の重さ(気球内の空気の重さ…

鉛直振り子の問題~棒とひもの違い~

シンプルだけど,それなりに奥が深い問題を扱ってみます. 2019/02/04追記 このあたりの話をまとめてくれている入試問題があったので,それについて書きました.参考にしたいたければと思います. miwotukusi.hatenablog.jp 問題 長さ:の「棒」または「ひも…

散布図と相関の使い方~たとえば,こんなのどうでしょう?~

先日,ゴルフコンペに参加してきました.グリーンの芝がベクトル場のように矢印で見えたり,物理原理をうまく使えられれば,上達するのかもしれませんが,それよりも自分の感覚(くせ)の方が勝ってしまうので,うまくなれません(苦笑).しかし,そのような人…

大は小を兼ねる?~空間図形と平面図形~

書きたいなあと思っているネタはあるのですが,ちょっと手が回ってません.今回は,以前に書いたネタの焼き直しをします. 1次変換の補足~その2~で触れていた図形の方程式に関する内容です.直線の方向ベクトルを空間図形の方程式の形に当てはめて求めると…

ざっくり見積もること

etc

数学とも物理とも言うのが難しいような話ですが,最近のニュースから数字を拾って話を書いてみます.後で出てきますが,どちらかというと物理です(笑) 先日発覚した大規模な個人情報漏洩を取り上げます.思っていた以上に早期に犯人が見つかったので,びっく…

1次変換の補足~その3~

補足だらけになってますが,対角化を用いた例を挙げておきます. 問題 蜜が付いている2つの棒A,Bがあります.1匹のハチが,どちらかの棒に止まります.棒から飛びった後,再び棒に止まりますが,他方の棒に移る確率は (もといた棒に戻る確率は )です.ハチ…

1次変換の補足~その2~

成分計算ガリガリというよりは,1次変換の本質を問うような問題を例題として挙げてみます. むかしの阪大で出た問題 1次変換は「点を移す変換」といいましたが,基底ベクトルを移すというように「ベクトルを移す変換」という言い方もできます.成分でガリガ…

1次変換の補足~その1~

1次変換について,もう少し考察と例題を挙げてみたいと思います. ベクトル場 これを用いると,平面全体(平面上の点のそれぞれ)がどのように移されるかが視覚的にとらえられるようになります.図を描くルールは至極単純です. たとえば,1次変換を表す行列が…

数字やグラフの読み方についてちょっとだけ

実は1次変換の例題をいくつか解説しようと思っていたのですが,ふと見かけて気になったものがあったので,それと関連した以前から気になっていたことと合わせて書いてみようと思います. 駅で電車を待っていたら その前に塾の看板がありました.そこにはこの…

1次変換について,つらつらと・・・~その3~

前回までの内容をまとめてみると,次のようになります. 1次変換は,基底ベクトルの変換をおこなう. 変換しても向きの変わらないベクトルは固有ベクトルとして与えられ,固有値はその大きさ(負の場合は向きを変える)の倍率を与えている. ここまでくると,…

1次変換について,つらつらと・・・~その2~

前回も,大学入試レベルだと結構濃いめの内容だったかもしれませんが,今回はもっと濃くなっていきます(笑). 5.線形性 ほんとはこれから始めないといけないのかもしれません.1次変換の「1次」って何?に対する答えになるところです.1次変換は別名「線形…

1次変換について,つらつらと・・・~その1~

しばらくぶりの更新です.前から書いておきたい(自分でも整理しておきたい)ネタを作っていました.それが1次変換です. いつもは自分なりにひねったタイトルを考えるのですが,今回はストレートにしてみました.図形問題が絡むことが多いこともあり,高校の…

選挙の算数~その2~

前回に引き続き,選挙にまつわる算数(数学)を書いてみようと思います.今回は,ちょっと濃い目の内容です. 比例代表といえば その計算方式として出てくる「ドント式」というのがあります.比例代表の計算方式には,他にもいろいろあるそうです.そのドント…

選挙の算数~その1~

選挙にまつわる算数(数学というよりは算数っぽいので)をつらつらと書いてみます. 賛成96%? 先日おこなわれたウクライナ東部での住民投票では,「賛成が96%」「賛成が90%」といった結果が流れました. NHK NewsWeb:ウクライナ 分断のまま大統領選挙の懸念 …

大気の物理(熱気球からの発展)~その2~

前回 は,結構式をこねくり回しました.今回はそこまではないと思います.その分,物理的な思考が必要になりますが. 相変化と熱 物質には「三態」と呼ばれる状態があります.みなさんよくご存じの固体・液体・気体です.これらは「相」とも呼ばれます. 前…

大気の物理(熱気球からの発展)~その1~

熱気球の問題についていろいろ書いてきましたが,もうちょっと突っ込んだ内容を書いてみようと思います.熱気球が浮く仕組みでも書いたように,気球内外の大気の重さのギャップによって気球は浮くことになります.もうちょっと整理して書いてみると, 気球に…

春雨でも濡れるのは嫌っ!

ここ最近,どうも天気がいまいちですね.いい天気のときもあるのですが,雨が降りそうで降らないとか,スッキリしない天気が多いように感じます.こんな雨の日に,「向こうの軒下まで走った方がいいのか,それとも歩いた方がいいのか?」という二者択一に出…

熱気球が浮く仕組み~ちょっと補足+α~

新年度が始まり,ちょっと更新がもたついています(苦笑). 最近になって熱気球が浮く仕組みがアクセストップになりました.で,ちょっと気になり再度確認したところ,今年の入試問題に熱気球が出てたんですね(笑). まずは,ちょっと補足 熱気球が浮く仕組み…

エコドライブのために心がけていること

以前に,エコドライブの10か条について,物理的な目線などでいろいろと書きました.今回は実際に運転の中で心がけていることを書いていきたいと思います. 原則はアクセルとブレーキを踏み込まないこと もちろんブレーキは停止しているときには,きっちりと…

津波は水の「かたまり」

先日,チリで発生した大地震で日本に津波が到達,15時間に渡って津波注意報が発令されるということがありました.波の性質から津波のことを考えてみたいと思います. 下の動画は,今回の津波の様子をシミュレーションした動画です. Tsunami Animation: Nort…

東大の総合科目(後期試験) 第1問A-4のやり直し

もう一度,問題文からきっちりと整理しておきたいと思います.ある意味,備忘録という感じですが. 問題文を読み返す 問題文を順に読み解いていきます.まずは,冒頭部分から ここでは,コストが確率的に変動するということが書かれています.商品単位あたり…

東大の総合科目(後期試験)は,ややこしや~ややこしや~ 第2問AB

第2問は,微積を使う「計算問題」という感じですね.こちらはABまとめて,ポイントになりそうなところだけ書いてみます. A:湖底にある生物の卵を駆除する Aは指示に従って計算をしていくだけなので,特にこれ!という重要なポイントはないかと思います.強…

東大の総合科目(後期試験)は,ややこしや~ややこしや~ 2014第1問B

懲りずに問題を解いてみました.第1問Bは,空港のベルトコンベアをモデル化しています.「平均振り分け時間」をどのような量であると解釈するかがキーなのかな?と思いました. ※2014/3/30 一部追記ならびに記述の修正をおこないました. (B-1)とりあえず,…

東大の総合科目(後期試験)は,ややこしや~ややこしや~ 2014第1問A

いままであまりちゃんと見てはいなかったのですが,なかなか濃い問題ですね.先に書いた式の評価という点でも,いい問題かと思い,少し解いてみました. 総合科目II 第1問A 問題と解答は河合塾さんのサイトから. http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/ho…

お買いもの de 数学

小さい頃,よく近所の「パン屋さん」におつかいに出されました.歩いて10分くらいのところにあったパンやお菓子,文房具も置いてあったようなお店です.いまから思えば,そこで算数的・数学的センスが鍛えられたというよりも,「その場で考え,工夫する」と…

式の評価~その3~

2つの式または事象を「比較する」という評価を考えてみたいと思います. 最速降下曲線 ボブスレーの話の最後で書いていた内容です.「どれだけの時間,早く着くか」といった量的なものは具体的に計算しなければなりませんが,力学的エネルギー保存則の式で位…

式の評価~その2~

先の回では,漸近線や極限値・近似値といったものを用いて評価することを考えました.ここでは,物理の公式と呼ばれるような式での評価を考えてみたいと思います. 物体の衝突 運動量保存則を用いる問題です. 右向きを正の方向として式を立てています.立て…