みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

2014-01-01から1年間の記事一覧

式の評価~その1~

ときに,高校生から「大学ではどういった勉強の仕方をすればよいのか?」「参考書はどんなのがありますか?」といった質問が聞かれます.やはり,高校での勉強はテストや入試試験で「結果」を出す必要があるため,数学や物理も定量的な答えを出すことがゴー…

運動方程式の再確認とその応用

ちょっと大層なタイトルですが,そもそもニュートンさんが定義した運動方程式とその応用を書いていきます.高校物理の範囲では考えないようなことがでてきます. それでは、運動方程式を改めて 書き下すと以下のようになります(せっかくなので,きれいな式で…

次元を超えた世界へ?(次元解析)

先日のボブスレーの話 の中で,ちょこっと言葉として出したものです.ちょっと難しい言葉ですが,大事なことなので少し書いてみたいと思います.「次元」というと,相対性理論で出 てくる「4次元」,超弦理論で出てくる「26次元」,そしてルパンの相棒(これ…

ケタに強くなる(p進法)

前期試験が終わりましたね。今年はそんな「えっ!」って問題もなかったような雰囲気ですね。 先の対数の話のときと同じタイトルになっていますが,意味合いはちょっと違います.対数は「何ケタ」「小数第何位」というケタでしたが,ここでは「ケタの繰り上が…

ケタに強くなる(対数)

対数です.そもそも対数は天文学の計算で,その威力を発揮しました.まさに「天文学的数字」を扱うときに便利だったということです.それは対数の基本でもある以下の式 によって,大きな数のかけ算・割り算が足し算・引き算に置き換えられたことによります.…

冬季オリンピックの物理~ボブスレーなら計算できるかも~

ソチオリンピックももう終わりますね.ボブスレーを見ていて,これなら計算である程度求められるかも?と思い,ちょっと計算をしてみました. とは言っても,単純化はやむを得ない カーブがあったり,勾配が一定でなかったりと,忠実に再現するのは大変なの…

重力加速度ってなんですか?

2018/10/14追記 本ネタの焼き直しをしました. miwotukusi.hatenablog.jp 改めてこう聞かれると,どう答えますか?人によっては「g」と答えたり,「物体が落ちるときの加速度」や「9.8m/s^2」と答える人もいるでしょう.ここではもうちょっと物理的な意味を…

数列〜その3〜

2回では書き切れませんでした。というわけで、今回で数列は最終の・・・はずです。 まずは前回の問題から Σ記号のわなとして,3つ計算問題を挙げました.いずれの場合も和をとる項にひねりが入っていました.こういう場合には,公式から離れて「どのような項…

数列~その2~

数列の和についてです.Σ記号だけでなく,少々ひねった和についても. いきなりですが,特殊な数列を一つ 取り上げます.一般項が次のように表される数列です. は の関数を表しています.有名な例は「部分分数」の問題です.この和は となります.一般項を…

数列~その1~

センタ試験前に群数列について書きましたが,もともとの「数列」も結構嫌われ者な印象があるので(わたし自身は好きなんですが),とらえ方・考え方のようなことを書いていきます. ※以下に記す内容は,はじめて数列を学ぶ人というよりは,一度学習したことが…

熱気球が浮く仕組みリターンズ

先日熱気球の問題 を取り上げましたが、いい応用問題があったので取り上げることにします。気体分子運動論を除けば、この問題で一通り熱力学は学習できるような気がします。元ネタは、2006年京都大学前期物理第3問です。 ※分数や指数の式が頻繁に現れるので…

冬季オリンピックの物理

もうすぐソチオリンピックが始まります。時差は 5時間ということなので、微妙に寝不足になる人も多くなりそうですね。 冬季オリンピックの競技種目 こういうのは Wikipediaを調べるのがいいですね。調べてみると、以下のようになります。 スケート競技 スキ…

熱気球が浮く仕組み

2018/10/13追記 本ネタの焼き直し(数式の表記化が主)をしました。 miwotukusi.hatenablog.jp 入試問題としても、ちょくちょく扱われる「熱気球の問題」を考えてみます。他の熱力学の問題とは少し違った考えが必要になってきます。 ポイント1:熱気球は「閉…

ベクトルの追記

ベクトルについて、もう一つ基本事項が抜けていたので追記しておきます。 ベクトルの基本4:内積 2つのベクトル a→と b→のなす角を θとすると、 a→・b→= |a→| |b→| cos θ となります。2つのベクトルの始点を重ねたときにできる角について述べています。 「…

ベクトルは難しくないと思うのですが

2017/10/02追記:TeX(MathJax)で書き直したものが↓にあります。(内積に関する追記も含んでいます) miwotukusi.hatenablog.jp 今回はベクトルです。 ベクトルは「大きさと向き」をあわせ持った量であり、特に物理を勉強する人にはずっとつきまわってくるもの…

三角比は直角三角形が基本

高校数学ではじめてお目にかかり、下手をすると数学よりも物理の授業で先に出くわしてしまう「三角比」と「ベクトル」について、少し書いていこうと思います。 まずは三角比です。基本的な考えは、中学数学で出てきた三角形の相似です。相似な図形の辺の比は…

証明問題はトンネル工事

記述式の問題は、結果だけでなく論証も必要なのですが、たいていは計算過程だけを羅列しただけの内容になることが多いようです。わたしは社会へ出て仕事をするようになって、数学に限らず記述式の回答ってプレゼン資料と同じだなあ。と思うようになりました…

2014年センタ試験 数学IIB第6問の解説もどき~その2~

最後の素因数分解です。2編一気に書いてしまいます(笑)。 4.さらに拡張して、N!の素因数分解を実行するプログラムを考える。 プログラム2の構造は、以下のとおりです。 プログラムはコードだけだと、何をしているのかよくわからないですよね。それを問題の…

2014年センタ試験 数学IIB第6問の解説もどき~その1~

先日までは、第6問(プログラムの問題)を解いていなかったのですが、解いてみるとなかなか面白かったので、解説もどきを以下に書いてみます。内容的には、「素数を絡めた整数問題」として 2次試験でも使えそうな考え方もあります。 N!の素因数分解を考える …

2014年センタ試験

ひとまず、数学と物理を解いてみました。 数学IA 集合の問題が少しややこしいぐらいで、あとは流れのままに解けるかと。 他に少し気になったところを挙げると、 図形の最後(3つの辺の長さ関係)の「角度に注目すると」の言葉に惑わされるかもしれない。 場合…

寒い夜だから(音の蜃気楼)

むかしTRFがこんな曲を歌っていました。明日はセンタ試験2日目、冷え込むようです。そして、晴れていると星空がきれいに見えるものです。しかし、冬の夜にはこんなこともまま起こります。 遠くの音がよく聞こえる 昼間だと近所でしか聞こえないような音が、…

熱力学の第1法則は、公式で覚えちゃダメ

高校物理の熱力学が苦手という人は、結構多いように思います。中学校の理科でも出てこなかったような内容なので、苦手というよりも慣れていないということなのかもしれません。 熱力学の第1法則 何を表しているかと言われると、「気体におけるエネルギー保存…

携帯電話の電源はお切りください?

地下鉄が走行中でもケータイがつながるようになり、スマホをいじってる人が以前よりも増えたように感じます。 周波数 ケータイといえば、最近のCMでは「プラチナバンド」「800MHz」といった言葉が宣伝文句に使われています。700MHz~900MHzの周波数帯を指す…

当たるも八卦当たらぬも八卦(確率)~その2

期待値の計算は、センタ試験ならではのコツがあります。タラレバの話も含め、また例題で考えてみます。 もう一つ例題 次は、2012年の数学IAからです。 1から9までの数字が一つずつ書かれた9枚のカードから5枚のカードを同時に取り出す。(中略)次のように得点…

当たるも八卦当たらぬも八卦(確率)~その1

センタ数学の嫌われ者である(?)確率についてです。解く数をこなすというのが一番の対策なのでしょうが・・・ 計算もだがイメージが大事 確率(場合の数)が苦手という人は、問題を考えるときのイメージ、もう少し言えばシミュレーションが足りないような気が…