みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

当たるも八卦当たらぬも八卦(確率)~その1

センタ数学の嫌われ者である(?)確率についてです。解く数をこなすというのが一番の対策なのでしょうが・・・

 

計算もだがイメージが大事

確率(場合の数)が苦手という人は、問題を考えるときのイメージ、もう少し言えばシミュレーションが足りないような気がします。 _n C_r _n P_rや !(階乗)の「計算」が目についてしまいがちですが、それはあくまでも計算の手段であって道具にしかすぎません。センタ試験は結果(答え)がすべてなので当然大事ではあるのですが。

シミュレーションといっても、単に

  • サイコロを何回か振る
  • カードを何枚か選び出す
  • 数字を並べて、何ケタの数字を作る

だけなら問題文にも書かれているぐらいですから意味がありません。問題の状況(条件)に応じた「タラレバ」をイメージすることが必要なのです。

 

タラレバ=「当てはまらないこと」「逆の事象」もイメージする

2011年の数学IAを例に考えてみます。

 

以下では、1個のさいころを8回繰り返して投げる。

  1. 8回の中で4以下の目がちょうど3回出る確率は[オカ] p^3 q^5 *1である。
  2. 第1回目に4以下の目が出て、さらに次の7回の中で4以下の目がちょうど2回出る確率は[キク] p^3 q^5である。
  3. 第1回目に5以上の目が出て、さらに次の7回の中で4以下の目がちょうど3回出る確率は[ケコ] p^3 q^5である。

 

この問題は  p^3 q^5という項が書かれているので、タラレバまでは考えなくても答えにただりつけるような問いになっています。半ば強引ですが、その「タラレバ」なことを以下に挙げていきます。

  1. 4以下の目がちょうど3回出るということは、5以上の目は5回出なければならない。
  2. 2回目以降については、5以上の目が5回出なければならない。
  3. 2回目以降については、5以上の目が4回出なければならない。

このように問題文には直接現れてはいない「5以上の目が何回出なければならないのか」ということをイメージすることが大事なのです。 p^3 q^5の項が書かれていないと、 q^5の部分をすっ飛ばしてしまう人も結構いるのでは?と思います。

 

 

社会に出て仕事をするようになると、「抜け・漏れ」ということが非常に重視されます。これがあるとリスク・脅威になってしまうからです。確率の問題は、このような思考を養うのに適した内容ではないかと思っています。とはいえ、自分自身で気づくのは難しいのですが。

次回は、このタラレバも含め、期待値の計算について少し書こうと思います。

*1: p, \ qは1個のさいころを投げて、4以下の目が出る確率( p = 2/3)、5以上の目が出る確率( q = 1/3)のこと。