理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

1次変換の補足~その1~

1次変換について,もう少し考察と例題を挙げてみたいと思います.

 

ベクトル場

これを用いると,平面全体(平面上の点のそれぞれ)がどのように移されるかが視覚的にとらえられるようになります.図を描くルールは至極単純です.

  • たとえば,1次変換を表す行列が(2,-1;-2,3)と与えられたとき,
  • 点(x,y)は点(2x-y,-2x+3y)に移されます.
  • 点(2,1)は点(3,-1)に移されます.点(2,1)を始点,点(3,-1)を終点とするベクトル(矢印線)を引きます.
  • 点(1,1)は不動点になるので,矢印は引きません.
  • このようなことをそれぞれの点で考えていきます.考える点は格子点である必要はありません.

実際にはグラフ描画ソフトウエアを使うことになります.MathematicaMaximaといった数式処理ソフトウエアを用いると描いてくれます.ここではGRAPESというソフトウエアを用いて描いています.

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通常,ベクトル場というと水や空気の流れといった流体の流れる様子を表すことに用いられることが多いです.ある点にいた物体がどのように流されるかといったことを見ることができるからです.

この例えだと実生活からは遠い感じですが,昔のファミコンのゴルフをしたことがある人なら,似たような絵をみたことがあるのではないでしょうか?あの「グリーンの芝目」を思い浮かべてもらえればよいかと思います.

 

固有値が重解の場合は不動直線が1本,固有値が存在しない場合も当然あります.それらの例もベクトル図で表してみます.

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固有値が存在しない場合の例は,(相似変換)×(回転変換)の形になっていることに気づきましたか?回転する場合,不動直線が存在しないというのは当たり前ですよね.

ここまで来れば「平面をつぶす変換」も見ておきましょう.

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高校数学では,あまりこのような表し方はしないように思います.問題を解く上では,必要でありませんからね.考えている平面全体がどのような傾向で移されているかを理解することで,表している現象の特徴などをつかむこともできるようになります.

次回,入試問題から例題を挙げてみることにします.