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理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

冬の運転は余裕をもって

この週末も,大雪になる地域があるようですね.冷え込むので,体調にも気を付けたいところです.いままで,車に関することをいくつか書きましたが,今回は「摩擦力」に注目しつつ,冬の運転について考えてみたいと思います.

先に結論を言ってしまえば,「スピードは控えめに」というです.

 

摩擦力の性質は単純で,

  • 大きさは垂直抗力の大きさに比例し,
  • 向きは運動の方向と逆の方向にはたらく

と,これだけです.

 

車間距離

これは,以前にも書いていた内容です.摩擦力の性質からすれば,重い車ほど早く止まるということになります.と,ここで「うんうん」とうなずいてはいけません(笑).摩擦係数が一定であるという条件のもとで制動距離を考えてみると,力学的エネルギー保存則より

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と,車の質量(重量)には依らないことがわかります.

このことよりも,摩擦係数は一定であるとは限らない.特に,雪や氷があるような路面では,摩擦係数が小さくなると考えておく方がよいと思います.

 

坂道

路面が傾いていると,垂直抗力の大きさが変わります.傾きが角度:φとなる坂道では,垂直抗力がmg・cosφとなり,平地(φ=0)のときよりも摩擦力が小さくなります.下り坂の場合には,重力の進行方向成分mg・sinφが推進力となってはたらくことになり,さらに止まりにくくなります.

 

横滑り

上の内容は,高校物理の問題としてもよく出てくる「横から見た絵」という1次元の世界で考えています.ここでは「上から見た絵」という2次元で考えることにします.

速さ:vで走っている車に,横向きの力:Fが加えられたとします.たとえば,雪や氷でスリップしたときや急な横風にあおられたときが挙げられます.当然,横方向の運動に対して摩擦力がはたらくわけですが,その方向は横方向にはなりません.運動方向がななめ方向であれば,摩擦力もななめ方向になるのです.横方向の運動方程式は,

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となり,ななめ方向の角度:θが小さいときには

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となります.右辺第2項が摩擦力を表しており,vが大きくなると,この値自体は小さくなります.つまり,前進する速さが早いと,いざというとき横滑りがなかなか止まらないという結果になります.

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横方向の力に対して,前後方向の速さが影響しているというのは,意外な結果かもしれません.運動方向がななめ方向になることから,前後方向の速さも関係してくるようになるのです.

とにもかくにも,運転は慎重に.