前回のネタについて,追加の考察を書いていきます.*1
miwotukusi.hatenablog.jp
先に,前回の結果を以下にまとめておきます.
と置いて,*2
- 導体棒の速度は,
- 導体棒を流れる電流は,
- 抵抗 rを流れる電流は,
- 抵抗 Rを流れる電流は,
導体棒の速度
問3で左向きに力を加えて支えていたものを外すと,導体棒は右向きに運動します.いまの場合は,右向きの力がどんどん弱くなって 0となることで等速になるという運動になります.その様子を式の上でも確認していきます.
赤字の部分は,ちょうど となっており,これは正の値をとります.よって,この式は正となり,であることが導かれます.
エネルギー保存則
合成関数の微分を用いれば,次の式が示されます.
前回立てた運動方程式の両辺に速度:をかけると,
ここで,右辺を変形していくと,以下のように書き換えることができます.
最後の行において,
- 第1項は,抵抗 rにおける単位時間当たりの消費電力
- 第2項は,抵抗 Rにおける単位時間当たりの消費電力
- 第3項は,直流電源から単位時間あたりに供給される電力(電流×電圧)
となって,エネルギー保存則(右辺の差の分だけ,運動エネルギーに変わっていること)を示しています.
2019/02/04追記
上では,運動方程式の両辺に をかけるとしましたが,右辺だけを考えれば (力)×(速さ)=(力)×(単位時間あたりの移動距離),すなわち「単位時間あたりの仕事」と見ることができます.これが導体棒に与えられた運動エネルギーになっていると捉えても構いません.