ほぼ1年ぐらいぶりのネタ書きになります*1.とりあえず京大さんと阪大さんのメモを書いていきます.全体的に近似など「物理的な計算」は増えてる印象です.
では,京大さんの第1問から.
ボールをぶつけて,小球をどんどん高く上げていくというアゲアゲな問題です.力学的エネルギー保存則/運動量保存則/弾性衝突の式を立てられれば解ける問題です.
(1) 1回目の衝突
まずは,ここで小手調べです.ちょっとていねいに書いておきます.図も載せておきます.
- [ア]は,力学的エネルギー保存則から
- [イ]は.水平方向の速度が変わらないことと の式変形から
- [ウ]は,衝突直前での運動量の和(図1(b)に描かれている符号も確認しつつ)
- [エ]は,これも符号に注意しながら,衝突直前の相対速度を書きます.
[ウ]の運動量保存則の式と[エ]の弾性衝突の式を連立させて解いて,[オ]と[カ]が求まります.
ボールの衝突直後の速度成分が 0となるように,ボールの質量を定めます([キ]).ボールが勢いを失った分,小球に勢いがつくというわけです.このときの を代入して,[ク]:を得ます.
(2) 衝突の繰り返し
ページを移った瞬間目に入ってくるのは,まさかの漸化式です.ただ,その前に書かれている文章を式に書き換えられていれば,なんてことありません.
- 運動量保存則:
- 弾性衝突の式:
2つ目の式から,数列:の漸化式が導かれます([コ]).階差数列だなんだと言ったりすることもなく,「2からスタートして,1ずつ加えていくだけ」の数列の一般項を求めます([サ]).
[シ]のところは,最大高度では水平方向の速度しか持たないことに注意して,力学的エネルギー保存則の式を立てて変形するだけです.
左辺第2項を右辺に移項すれば,の変形が使えるので,この計算は全然難しくありません.
鉛直方向の変位の式(時刻を変数とする式)を考えて,完全平方の形から最大値を求める方法でも同じ答えは導けます.
問1 (2)の補足と計算問題
(i) ボールの質量を決定
これは,上の運動量保存則の式に を代入して,を求めます.
(ii) 計算問題
(i)で求めたボールの質量を大きくできる上限から,衝突回数を決めて,そのときの最大高度を求めます.[シ]で導出した式に や を代入して,その比をとるだけです.
図や問題文の説明が逆にていねい過ぎて*2,難しくみえる問題なのかもしれません.第3問もそんなところがある問題だなと思っています.
ということは,第2問はややこしいわけです.