と呼んでもいいのかわかりませんが,あの「〇〇になる」やつです.もう 10年ぐらい経つんですね.
- 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります」
- 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります.さらに,5の倍数のときに犬っぽくなります」
- 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ,アホになります.さらに,8の倍数のときに気持ちよくなります」
これお正月の整数問題にすればよかったなあと思いつつ,いま問題にしてみます.
2021/06/21:少し気になったことがあったので,一度非公開にしていました.チェックできたので再度公開します.
問題:上の 1.~3.のそれぞれにおいて,「アホになっている」2019番目の数字を答えてください.
1. 「3の倍数と 3がつく数字のときだけ」
以下,3の倍数はオレンジ色,「3がつく数字」は赤色(これらの両方を満たすときは赤色)で表します.
まず 1~10の間では,
これではちょっと様子がわかりにくいので,一気に 1~99の間について考えてみます.ちょっと見やすくするため(すぐ後でわけはわかります)に,「0」から始めてみると,
なんか規則正しい感じに見えてくると思います.
先頭の「0」も3の倍数として見てあげると,同じような数の並びになるのは「300」「600」「900」…ときだとわかります.なので,とりあえず 300まで頑張ってみます.
と,実際には書き出していません.横の列ごとに何個ずつあるかを数え上げようとしたところ,100の位の数と 10の位の数を XYと表して,
- XY0が 3の倍数のとき ⇒ XY0, XY3, XY6, XY9
- XY1が 3の倍数のとき ⇒ XY1, XY3, XY4, XY7
- XY2が 3の倍数のとき ⇒ XY2, XY3, XY5, XY8
と横の列ごとにきれいに 4個ずつしか当てはまる数がないことがわかりました.こうなると,だいぶ数え上げやすくなります.
1~999までには何個の「アホ」があるのか?
X3Zのときの 10個はすべて当てはまるので,1~299までの数については,
- 1~99までの間には,4×9+10-1(「0」は除外するから)=45個
- 100~199までの間には,4×9+10ー1=45個(ここも「100」は除外)
- 200~299までの間にも,4×9+10ー1=45個(ここも「200」は除外)
合計 137個あることがわかりました.
さらに,
- 300~399はすべて当てはまるので 100個
- 400~999までは,400台,500台…となるので,45×6個
とすれば,1~999までには 45×9+100=505個あることがわかります.
どこまで数え上げればいいのか?
ここで一度問題を振り返ってみます.
「アホになっている」2019番目の数字を答えてください.
2019番目はどのあたりにあるのか?(どこまで数え上げていかないとダメなのか?)をおおよそ見積もっておく必要があります.
- 1~99までで45個=おおよそ 45%
- 1~999までで 513個=おおよそ 51%
どうも倍(2019×2=4038)ぐらいまで数え上げれば,答えにたどり着きそうです.さらに勘定をしていくと,
- 1000~1999までは,505個
- 2000~2999までも,505個
1~2999までで 505×3=1515個になりました.
で,3000台.そうです.ここはずーっとアホなんです!というわけで,
2019-1515=504
「3000」から数え始めて 504番目の数なので「3503」これが 2019番目の「アホ」になります.どのあたりにあるのかと目星を付けるあたりは,群数列とかチャンパーノウン定数の考え方に似ていますね.
一見,不規則そうな数列だと思ったのですが,10個の中に 4個ずつ含まれる(30番台を除く)ときれいに入っているのは絶妙だなあと感じました.
残りの問題
2.の 5の倍数,3.の 8の倍数についても同様に積み上げていくことを考えれば,導くことができます.答えだけ載せておきますので,数え上げ方は考えてみてください.
2.の答えは 3153,3.の答えは 3269
「3がつく数字」の配置
ここでは,3の倍数は無視して考えます.まずは論より証拠,下図は N=0~60万までの配置を図にしたものです.
上の 0~99の例は,左上隅の十字の部分になっています.このようにして図を見ると「左から3割,上から3割」のところに,十字線が入る図形が,親子のように重なりあっている様子が見えてきます.これってフラクタル図形になるんですかね?コッホ図形とか,シェルピンスキーのギャスケットとかは有限の大きさの中での話で,いまのはどんどん拡がっていく話なので,当てはまるのかどうなのか…(どなたか詳しい方教えて欲しいです.)