理系男子の独り善がり

仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

2019年センター試験物理のメモ

考え方のポイントを中心に,つらつらと書いてみます.

第1問

問1
  1. 運動エネルギーは大きさしかもちません.(スカラー量)
  2. 正しいですね.
  3. 運動エネルギーの変化→運動量の変化
  4. 運動量はベクトル量ですので,大きさは一定であっても,向きが絶えず変わるので一定ではありません.
問2

電界の大きさは単位電荷(1[クーロン])を置いたときに受ける力の大きさであり,電界を与える点電荷 Qに比例し,その点電荷からの距離: rの 2乗に反比例します.
問題では, qが正か負かは述べられていません.ただし, x=2dの位置で電界が 0になるのですから, Q qと符号が異なります.あとは上の関係から,その大きさを求めるまでです.

問3

ここからちょくちょくビミョーな髪形の「観測者」が登場します.
それはさておき,

  • 「倍率 1.0倍の明瞭な像ができた」ので,文字板上の点と凸レンズの中心を結んだ直線を考えます.この直線とスクリーンとの交点はもとの文字板上の点とちょうど点対称な位置関係になっています.ということで,凸レンズは文字板とスクリーンのちょうど真ん中にあることがわかります.
  • あとは,凸レンズの上端がスクリーン上に反転して像を映す様子を考えれば,焦点は凸レンズとスクリーンの中間となり,焦点距離は 0.25[m]と求まります.
  • すでに上にも書いているとおり,像は凸レンズの中心に対して点対称となるので,できる像は (A)になります.
問4

まず理想気体については,状態方程式 pV=nRTより  \displaystyle{ p = \frac{nRT}{V} = \frac{nRT}{Sh}}
(容器内部(理想気体)からの力)と(ピストンの重力+大気圧による力)がつり合うことを考えて,
  \begin{align} pS &= mg + p_0 S \\ h &= \frac{nRT}{mg + p_0 S} \end{align}

問5

これ,案外悩まされる問題かもしれませんね.(b)の図がなければ,結構素直に正解できると思うのですが,(b)があることで上手く(?)混乱をさせている印象です.単振動の周期の式に,重力加速度が含まれていない(おもりの質量とばね定数のみで与えられる)ことから即答になります.

第2問A

またも来ましたダイオード,しかも今回はダイオードの中身についても触れられています.

問1

接合面でホールと電子が出会うことにより電流が流れるので,

  • 電源のプラス側からマイナス側に向かって引き寄せられ,接合面に到達するのはホール
  • 電源のマイナス側からプラス側に向かって引き寄せられ,接合面に到達するのは電子

となり,ホールは電源のプラス側,電子は電源のマイナス側でそれぞれキャリアとなっていることがわかります.

問2

整流作用により,あるときは抵抗 1つだけの回路(抵抗は  R),またあるときは 抵抗 2つの並列回路(合成抵抗は  R/2)というように,2種類の回路が切り替わって動作することになります.

  •  t=0からの出だしが正で始まっているので,このときは抵抗 2つの回路となり,
  •  T/2 \leqq t \leqq Tのときは,抵抗 1つの回路となっていて,こちらの方が抵抗が大きいので

答えは,(5)になります.

第2問B

回路図を少し書き換えてあげると,考えやすくなるのでは?と思います.

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2019年センター試験物理第2問B 回路図の書き換え

問3

「磁界中の電流が受ける力」を考えます.
上図のように「並列回路」としてみると,抵抗 Rには電流が流れない(導体棒に全電流が流れる)ことがわかります.流れる電流の大きさは, I = V/rですから,導体棒にはたらく力の大きさ(=左向きに与えるちからの大きさ)は,次のように求まります.
  \displaystyle{ B I \ell = \frac{VB \ell}{r} }

問4

今度は「誘導起電力」を考えます.
「導体棒に電流が流れなく」なったので,抵抗 Rの方へ電流が流れます.このときの電流の大きさから,抵抗 Rにおける電圧降下を求めます.導体棒は,抵抗 Rと並列ですから同じだけの電圧降下がなければなりません.よって,次の式から  vを求めます.
  \displaystyle{ \frac{VR}{r+R} = B \ell v }

2019/02/12追記
この問題については,次の 2回の補足を書いています.ご参考まで.
「2019年センター試験物理第2問B」の補足 - 理系男子の独り善がり
「2019年センター試験物理第2問B」の補足~その2~ - 理系男子の独り善がり
 

第3問A

結構、ここまで時間がかかるような気がしています.でも,まだ先は長いです.
典型的な「薄膜の干渉」の問題です.最終的な公式を出す一歩手前までが問題になっているので,導出過程(考え方)をしっかり抑えていないとダメな問題です.

問1

(相対)屈折率が  nだと,光の波長は  1/nになるという屈折率の定義(または光学的距離の定義)を用います.点Aと点Eでは光が同位相であり,ABとEFの光学的距離が等しくなっています.このことを式にすると, n \cdot \mathrm{AB} = \mathrm{EF}となります.

  • 経路1と経路2の光行路差(光学的距離)は  n \cdot ( \mathrm{BD}+\mathrm{DF} )となり,
  • 点D(経路1)と点F(経路2)それぞれでの反射において位相飯店もとい位相反転が起きるので,

  n \cdot ( \mathrm{BD}+\mathrm{DF} ) = m \lambda

問2

図2で曲がり方を教えてくれているので,この図を 90度回転させて,図3(b)に重ね合わせればよいだけです.そして,2点間の光の進み方は,姉→弟か弟→姉かに寄らず同じ経路を通ります.*1

第3問B

単振動による音源の速度変化からドップラー効果を考える問題です.とはいえ,ドップラー効果で考えることはほぼありません(笑)

問3

図5を式にするだけなので,きちんと取っておきたいですね.

問4

観測者に向かって,速度がもっとも大きくなる点がどこかという話だけです.瞬殺しておきたいですね.

第4問A

減速している電車内での運動に関する問題です.ちょっと空いている電車で,減速時につり革を見ると今回のおもりのような動きを確認することができます.そんなイメージが湧いてくれば,ちょっとは解きやすいのかもしれません.

問1

おもりにかかる重力: mgと慣性力: maを作図してあげればいいですね.

問2

「ボールの軌道」というよりも,「おもりのひもを切ったときの軌道」ととらえた方がいいです.重力も慣性力もずっとはたらいているので,そのまま等加速度直線運動をします.

第4問B

今度は鉛直振り子です.

問3

運動エネルギーは,失われた位置エネルギーとして与えられているので,それが角度のどのような関数になっているかを考えます.角度: \alphaのとき,高さは  \ell \sin{\alpha}だけ落ちているので,そのようなカーブになっているものを選択します.

問4

小球の運動を順に追っていきます.

  • 点Rを通るときの運動エネルギーは  mg \ell
  •  \beta = 90^{\circ}となったときの小球の運動エネルギーは  mg \{ \ell - ( \ell - a ) \} = mga
  • よって,このときの小球の速さを  vとすると, \displaystyle{ \frac{1}{2}m v^2 = mga }
  • このときはたらいている向心力(または遠心力)は,速さ: vで等速円運動をしているとして, \displaystyle{ m \frac{v^2}{\ell - a} = \frac{m v^2}{\ell - a} = \frac{2mga}{\ell - a} }.これが糸の張力の大きさ(またはつり合っている力の大きさ)となります.

 

第5問(選択問題)

熱力学です.簡単かな?

問1

過程A→Bは定積変化なので,気体は外部へ仕事をしません(外部から仕事をされもしない).ボイル・シャルルの法則または状態方程式を考えれば,体積一定で圧力が上がる⇒温度が上がると結論できます.これに熱力学第一法則を当てはめればよいです.とするか,もっと感覚的に「温度が上げてる」んだから,外部から熱を与えている(気体は吸収している)よね.と考えてもいいと思います.

問2

毎度毎度の古典問題.囲む面積を求めます.

問3
  • 過程B→Cと過程D→Aは定圧変化ですから,この間は圧力一定です.
  • 過程A→Bと過程C→Dは定積変化なので,状態方程式より圧力と温度は比例関係になります.「比例」関係なので,「原点を通る直線」を選択しなければなりません.ということで絞り込まれます.

 

第6問(選択問題)

X線の発生に関する問題です.教科書をきちんと見ていれば,なんてことない?

問1

文章の内容に従っていくだけですね.

問2

固有X線に関する説明文です.空いた空席へ外側(外殻)の電子が落ち込んで,そのエネルギー差が光(X線)のエネルギーとして放出されます.

問3

グラフを読み取る問題です.まず,3つのグラフは

  • (A)と(B):同じピーク波長(固有X線)を出している
  • (B)と(C):同じ最短波長を出している( 2.5 \times 10^{-11} [ \mathrm{m} ] あたり)

と 2つの組に分けることができます.
同じ加速電圧からは最短波長(最高エネルギー)が得られること,同じ材質では同じ固有X線の波長が得られることから,答えを導きます.


うーん,どうなんでしょう?なんとなく,ボリュームがあったように感じるのですが気のせいですかね?選択問題は,熱力学の方をとった方が無難かと思ってます.第2問Bは2次試験でも使えそうな内容なので,しっかり復習しておいた方がいいですね.
試験って待ち時間も長かったりで結構疲れるので,まずは体調整えて次に臨んでもらえたらなあと思います.

*1:フェルマーの原理」と呼ばれるもっとも効率的な経路を選択するという原理より