みをつくしのひとりよがり

2022/08/10にブログ名を変えました.仕事や生活に役立ちそうな(実際に役立つかは別として)数学・物理ネタをつらつらと書いていこうと思ってます.

Math

東大の総合科目(後期試験)は,ややこしや~ややこしや~ 2014第1問B

懲りずに問題を解いてみました.第1問Bは,空港のベルトコンベアをモデル化しています.「平均振り分け時間」をどのような量であると解釈するかがキーなのかな?と思いました. ※2014/3/30 一部追記ならびに記述の修正をおこないました. (B-1)とりあえず,…

東大の総合科目(後期試験)は,ややこしや~ややこしや~ 2014第1問A

いままであまりちゃんと見てはいなかったのですが,なかなか濃い問題ですね.先に書いた式の評価という点でも,いい問題かと思い,少し解いてみました. 総合科目II 第1問A 問題と解答は河合塾さんのサイトから. http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/ho…

お買いもの de 数学

小さい頃,よく近所の「パン屋さん」におつかいに出されました.歩いて10分くらいのところにあったパンやお菓子,文房具も置いてあったようなお店です.いまから思えば,そこで算数的・数学的センスが鍛えられたというよりも,「その場で考え,工夫する」と…

式の評価~その3~

2つの式または事象を「比較する」という評価を考えてみたいと思います. 最速降下曲線 ボブスレーの話の最後で書いていた内容です.「どれだけの時間,早く着くか」といった量的なものは具体的に計算しなければなりませんが,力学的エネルギー保存則の式で位…

式の評価~その2~

先の回では,漸近線や極限値・近似値といったものを用いて評価することを考えました.ここでは,物理の公式と呼ばれるような式での評価を考えてみたいと思います. 物体の衝突 運動量保存則を用いる問題です. 右向きを正の方向として式を立てています.立て…

式の評価~その1~

ときに,高校生から「大学ではどういった勉強の仕方をすればよいのか?」「参考書はどんなのがありますか?」といった質問が聞かれます.やはり,高校での勉強はテストや入試試験で「結果」を出す必要があるため,数学や物理も定量的な答えを出すことがゴー…

ケタに強くなる(p進法)

前期試験が終わりましたね。今年はそんな「えっ!」って問題もなかったような雰囲気ですね。 先の対数の話のときと同じタイトルになっていますが,意味合いはちょっと違います.対数は「何ケタ」「小数第何位」というケタでしたが,ここでは「ケタの繰り上が…

ケタに強くなる(対数)

対数です.そもそも対数は天文学の計算で,その威力を発揮しました.まさに「天文学的数字」を扱うときに便利だったということです.それは対数の基本でもある以下の式 によって,大きな数のかけ算・割り算が足し算・引き算に置き換えられたことによります.…

数列〜その3〜

2回では書き切れませんでした。というわけで、今回で数列は最終の・・・はずです。 まずは前回の問題から Σ記号のわなとして,3つ計算問題を挙げました.いずれの場合も和をとる項にひねりが入っていました.こういう場合には,公式から離れて「どのような項…

数列~その2~

数列の和についてです.Σ記号だけでなく,少々ひねった和についても. いきなりですが,特殊な数列を一つ 取り上げます.一般項が次のように表される数列です. は の関数を表しています.有名な例は「部分分数」の問題です.この和は となります.一般項を…

数列~その1~

センタ試験前に群数列について書きましたが,もともとの「数列」も結構嫌われ者な印象があるので(わたし自身は好きなんですが),とらえ方・考え方のようなことを書いていきます. ※以下に記す内容は,はじめて数列を学ぶ人というよりは,一度学習したことが…

ベクトルの追記

ベクトルについて、もう一つ基本事項が抜けていたので追記しておきます。 ベクトルの基本4:内積 2つのベクトル a→と b→のなす角を θとすると、 a→・b→= |a→| |b→| cos θ となります。2つのベクトルの始点を重ねたときにできる角について述べています。 「…

ベクトルは難しくないと思うのですが

2017/10/02追記:TeX(MathJax)で書き直したものが↓にあります。(内積に関する追記も含んでいます) miwotukusi.hatenablog.jp 今回はベクトルです。 ベクトルは「大きさと向き」をあわせ持った量であり、特に物理を勉強する人にはずっとつきまわってくるもの…

三角比は直角三角形が基本

高校数学ではじめてお目にかかり、下手をすると数学よりも物理の授業で先に出くわしてしまう「三角比」と「ベクトル」について、少し書いていこうと思います。 まずは三角比です。基本的な考えは、中学数学で出てきた三角形の相似です。相似な図形の辺の比は…

証明問題はトンネル工事

記述式の問題は、結果だけでなく論証も必要なのですが、たいていは計算過程だけを羅列しただけの内容になることが多いようです。わたしは社会へ出て仕事をするようになって、数学に限らず記述式の回答ってプレゼン資料と同じだなあ。と思うようになりました…

2014年センタ試験 数学IIB第6問の解説もどき~その2~

最後の素因数分解です。2編一気に書いてしまいます(笑)。 4.さらに拡張して、N!の素因数分解を実行するプログラムを考える。 プログラム2の構造は、以下のとおりです。 プログラムはコードだけだと、何をしているのかよくわからないですよね。それを問題の…

2014年センタ試験 数学IIB第6問の解説もどき~その1~

先日までは、第6問(プログラムの問題)を解いていなかったのですが、解いてみるとなかなか面白かったので、解説もどきを以下に書いてみます。内容的には、「素数を絡めた整数問題」として 2次試験でも使えそうな考え方もあります。 N!の素因数分解を考える …

当たるも八卦当たらぬも八卦(確率)~その2

期待値の計算は、センタ試験ならではのコツがあります。タラレバの話も含め、また例題で考えてみます。 もう一つ例題 次は、2012年の数学IAからです。 1から9までの数字が一つずつ書かれた9枚のカードから5枚のカードを同時に取り出す。(中略)次のように得点…

当たるも八卦当たらぬも八卦(確率)~その1

センタ数学の嫌われ者である(?)確率についてです。解く数をこなすというのが一番の対策なのでしょうが・・・ 計算もだがイメージが大事 確率(場合の数)が苦手という人は、問題を考えるときのイメージ、もう少し言えばシミュレーションが足りないような気が…

群れをなす数たち(群数列)

※2016/09/28 一部の式だけですが,全体に影響しない範囲で,TeXに書き換えました. もうすぐ 2013年も終わりますね。 2013ぐらいの数は、整数問題や数列の問題でも使われやすいですね。センタ試験の定番でもある群数列について、わたしなりのコツなどを書い…

乗法公式を生活に

因数分解や乗法公式(式の展開)は、数学の問題を解くための「道具」として、基本でありよく使うものです。しかし、高校数学を終えてしまうと使うことはとんとなくなります。それではもったいないので、仕事などで活用できる(かもしれない)方法を紹介したいと…

「小学校6年生の算数」とはいっても・・・その4

小学校6年生の算数から高校数学に引っ張り込んできましたが、最後にもう一つ書いておきます。 3点と 5点で作ることのできる点数とは? 前回の最後に以下のような「可能性」があることを書きました。 もとの問題では「その景品の点数ぴったりで交換することが…

「小学校6年生の算数」とはいっても・・・その3

高校数学では「整数問題」として扱われます。このジャンルは、教科書にもあまり触れられていないというよりも、触れられない語れないところで、ある意味一番センスを試されるところかとも思います。もとの問題文はもう書きませんが、高校数学っぽく書き直す…

「小学校6年生の算数」とはいっても・・・その2

では、本丸に攻め入ります。そういえば、今日は赤穂浪士討入りの日でしたね。 問題 ある店で買い物をすると、金額に応じて 3点と 5点のコインがもらえます。A君は 3点と 5点のコインが合計 100枚たまったの で、ある景品 1個と交換してもらうことにしました…

「小学校6年生の算数」とはいっても・・・その1

「メインは、高校の数学と物理からの話になる」と書いてから、もうひと月になりました。 で、最初のネタは「小学生の算数」です。(笑) 問題 ある店で買い物をすると、金額に応じて 3点と 5点のコインがもらえます。A君は 3点と 5点のコインが合計 100枚たま…